マキロイがホストを務める欧州ツアーのドバイデューティフリー・アイリッシュオープンbyローリーファウンデーションが開幕。全英オープンを2週間後に控え各選手とも調整に余念がない。
そんななかマキロイは大会連覇を目指した昨年まさかの予選落ちで肩を落としたが、今年は第1ラウンドを首位と3打差の18位タイとまずまずのスタート。「ショットは最近ではベストの状態」と手応えを口にした。
未勝利に終わった昨季の雪辱を期す今シーズン、3月に行われた米ツアーのアーノルド・パーマー招待で早々に優勝を飾り、翌月のマスターズでキャリアグランドスラムへの期待が高まったが、最終日最終組を回りながらスコアを伸ばせず5位タイに甘んじた。
果たしてマキロイの野望とは? それは「ただひとつ、メジャーに勝つこと」。「このままズルズルとメジャーに勝てない時間を過ごしたら昔の自分を超えることができなくなる」と自らを追い詰めるような発言まで飛び出した。
「悪くはないが良くはない」現状を打破するための鍵を本人は「10代のころのゴルフに戻ること」だという。「経験を積むとどうしてもリスクを取らない守りのゴルフになってしまう。でも10代のころの自分は違った。リスクを冒しても狭いところを攻めピンをデッドに狙っていた。もちろん大怪我をすることもある。でも安全策だけでメジャーには勝てない」
リスク(危険)とリワード(ご褒美)は隣り合わせ。攻めてこそメジャー制覇の道が開けるとマキロイは実感を込めるのだ。
トッププロの多くは「世界ランク1位よりメジャーに勝ちたい」という。年に4回しかないメジャーで優勝できるのはシーズン最多でも4人。タイガーの時代とは違っていまは誰にでも勝つチャンスはあるが、とはいえ誰もが勝てるというわけではない。本命といわれる重圧は歳を重ねるごとに大きくなる。だがそろそろマキロイの番がきても良い。
来たるべき全英オープンと全米プロでマキロイは10代のころのようにリスクを顧みず勇気を持って攻めのゴルフに徹することができるか? この夏、彼の真価が問われる。
撮影/姉崎正