最近、とみに増えてきた印象のあるYouTubeに投稿されるゴルフ動画の数々。レッスン動画やスウィング動画も数多くあり、参考にしているゴルファーは多いはず。実は、プロゴルファーも例外ではないんです!

YouTubeを参考にしているプロと聞いて、真っ先に思い浮かぶのが昨年の男子ツアーで最後まで賞金王争いを繰り広げたチャン・キムだ。「GG SWING TIPS」というYouTubeのゴルフレッスンチャンネルを“お気に入り”にし、「無料で観られる動画でも参考になるよ」(キム)と、実際にその教えを自身のスウィングに取り入れ、昨年の躍進につなげた。

画像: YouTubeの動画を参考にし、昨年躍進を遂げたチャン・キム。怪我からの復帰が待たれる(撮影/大澤進二)

YouTubeの動画を参考にし、昨年躍進を遂げたチャン・キム。怪我からの復帰が待たれる(撮影/大澤進二)

日本の若手プロたちに話を聞いてみても、やはりみんな多かれ少なかれYouTube上の動画を参考にしているようだ。「僕は、藤田寛之プロの動画ばかり観ています」というのは、高校3年時に日本アマを制した21歳の小木曽喬。

「藤田プロの、ハンドファーストでボールをつかまえる感じがたまらないんです。僕自身(藤田と同じ)フェードヒッターなので、ロフトが立ちながらボールをつかまえてラインを出す感覚を取り入れたいので、繰り返し観ています」(小木曽)

画像: 「ハンドファーストに球をつかまえる感じがたまらない」と小木曽は同じフェードヒッターの藤田寛之のYouTube上のスウィング動画を参考にしている(写真は2017年のツアー選手権 撮影/有原裕晶)

「ハンドファーストに球をつかまえる感じがたまらない」と小木曽は同じフェードヒッターの藤田寛之のYouTube上のスウィング動画を参考にしている(写真は2017年のツアー選手権 撮影/有原裕晶)

今年全米オープンに出場した期待の若手・22歳の星野陸也も、同じくトッププロのスウィング動画をよくチェックするという。

「(ローリー・)マキロイとかタイガー(・ウッズ)とか、PGAツアーの選手を観ています。あとはアプローチの動画とか。インスタ(グラム)とかも観てますね」(星野)

かつて若手プロはツアーの練習場で先輩プロの技術を「目で盗む」ことで腕を磨いたというが、海外のトップ選手のインスタグラムのアカウントをフォローし、その映像を参考にするというのだから時代は変わった。

23歳、今“日本一曲がらない男”と言われる稲森佑貴も、PGAツアーの選手を参考にしている一人。最近は、本人とは(失礼ながら)タイプが異なるように見える飛ばし屋の動画をチェックしたという。

「つい最近観たのは、ジャスティン・トーマスのスウィング動画です。世界ランクトップの人たちのスウィングってどんななんだろう、ああこんな感じなんだ、って。全部鵜呑みにはしないですけど、この人のスウィング、ココだったら参考にできるかなって、スウィング自体を参考にしないですけど、(部分的には)参考にします。結局ゴチャゴチャになるので、レッスンの動画はあまり見ないですね」(稲森)

画像: 曲がらないことで有名な稲森だが、飛ばし屋ジャスティン・トーマスのスウィングにも参考になる部分はあるという(写真は2017年の全米プロ 撮影/姉崎正)

曲がらないことで有名な稲森だが、飛ばし屋ジャスティン・トーマスのスウィングにも参考になる部分はあるという(写真は2017年の全米プロ 撮影/姉崎正)

25歳の堀川未来夢は、ちょっと変わっている。スウィングではなく、あるプロの“考え方”を取り入れるためにYouTube動画をチェックしているというのだ。

「丸山茂樹プロです。僕は丸山茂樹プロが大好きで、大ファンなんです。そもそも、ゴルフを始めてプロを目指そうと思ったのがソニーオープンでの丸山プロのホールインワン(2005年)をテレビで観たのがきっかけですから。なので、丸山プロがゴルフについて語っている動画などを観て、考え方などを学ばせてもらってます」(堀川)

世界のトップ選手のスウィング、時には考え方をチェックし、参考にできる部分を自分のゴルフに取り入れる。これが今の若手プロたちの“常識”と化している。世界基準のスウィングを、スマホが一台あれば24時間いつでもどこでもチェックできることは、今後さらなるレベルアップをゴルフ界にもたらしそう。

ここでポイントは、今回話を聞いたプロたち全員が「自分に近いプロ」や「自分に取り入れられそうな部分」だけをチェックしている点。まずは己をしっかりと知ることが、YouTubeやインスタグラムなど、SNSを用いてレベルアップするための最大の秘訣なのかもしれない。

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