2番アイアンを武器とするタイガーはコースと好相性
全英オープンの月曜日、練習ラウンドを行う選手たちの中で、ひときわ調子が良さそうに見える選手がいました。ほかでもない、タイガー・ウッズです。
まずは全体の雰囲気。これは言葉にしにくいですが、強かった頃の雰囲気が戻っています。ショットの精度は非常に高く、飛距離もかなり戻ってきています。アプローチ、パッティングは万全の状態にはまだ達していないように見えましたが、ショットに関しては完璧。
たとえばマスターズが、正確に狙った場所にボールを止めるゲームであるとしたら、今回の全英オープンは、ホールごとにある“正解ルート”にボールを通すゲーム。その正解ルートを見つけ、そのライン上に正確にボールを打ち出す精度が問題になります。そして、おそらくティショットでドライバーを持つ場面は少なく、2番アイアンを多用することになると思います。
タイガーは、ドライバーに不安がある一方、2番アイアンでのティショットにはなんの問題もないどころか、極めて高い精度があります。つまり、コースがタイガーにフィットしていて、大きなアドバンテージが得られると思います。アゲンストや横風の吹くホールで、タイガーが得意の2番アイアンで正解ルートに正確にライン出ししていく……そんなシーンが見られそうです。
タイガーは、昨年の全米プロを制し、今年世界ランク1位にもなったジャスティン・トーマスと練習ラウンドをしていましたが、トーマスはアプローチが絶好調。多少ボールは荒れていましたが、グリーン周りでの精度は見事なものがありました。
タイガーは、そんなトーマスと同じ場所から打ったり、トーマスを見守る場面もありました。トーマスの小技の絶好調ぶりがタイガーにも好影響を与えるようなことがあれば……本当に優勝候補の筆頭に挙げてもいいかもしれません。
撮影/姉崎正