3年ぶりに全英オープンに参戦するタイガー・ウッズのバッグに“新兵器”が入れられている。その名も「ギャッパー」という、ユーティリティ型の2番アイアンだ。全英制覇の鍵を握りそうなこのクラブに、現地で取材するプロゴルファー・中村修が迫った。
火曜日の練習ラウンド、タイガー・ウッズがティショットで多用していたのが、黒いヘッドの2番アイアンです。今まで見たことがないクラブで、気になったのでタイガーの契約先、テーラーメイドがツアーに派遣しているツアーバスに突撃取材してきました。
その正体は、テーラーメイドのニューモデル「GAPR(ギャッパー)」。ヘッドには「2」という刻印がされ、17度というロフト表示が見えます。まさしく2番アイアンのスペックですね。
バスにあったのは、ネック部分に俗にカチャカチャと呼ばれる調整機能が付いたヘッドでしたが、タイガーをはじめプロたちが使っているのは調整機能なしのモデル。なんでも、プロたちの間で大人気で、“売り切れ”状態だそう。松山英樹選手も練習ラウンドでバッグに入れたと言います。
ヘッドを見てみると、上がりやすそうという印象は受けませんが、いかにもコントロールショットが打ちやすそう。メーカーの人に話を聞いてみると、スピンの少ない棒球になりにくく、適度にスピンが入り(かかり)、コントロールショットがしやすいのだそうです。
しかし、地面が硬く強い風がときに吹くここカーヌスティでは、風の下をくぐらせたり、左右に曲げたりといったコントロールショットが求められます。だからこそ、コントロール性の高いこのクラブが、プロたちに人気なのだと思います。
タイガー、松山がテスト中の黒い2番アイアン。本番でもプロたちがバッグに入れるのか、注目です。
撮影/姉崎正