タイガー・ウッズが途中に首位に立つなど、大いに盛り上がった第147回全英オープン。勝者と敗者を分けたものは一体なんだったのか? 現地で取材したプロゴルファー・中村修がレポート!

大会が終わった今、最終日を振り返ると、トップに立った選手が次々とスコアを落としていく展開であることがわかります。まずジョーダン・スピースが落とし、次いでトップに立ったタイガー・ウッズが落とし、最終盤にマッチレース状態となったところでザンダー・シャウフェレが落とし、ひたすら耐えに耐え続け、最終ホールで渾身のバーディを奪ったフランチェスコ・モリナリが勝利を収めました。

画像: タイガー・ウッズと同組でプレーしたフランチェスコ・モリナリが勝利を収めた

タイガー・ウッズと同組でプレーしたフランチェスコ・モリナリが勝利を収めた

最終日、優勝争いを繰り広げる選手たちがプレーする午後の時間はとくに、カーヌスティには全英オープンらしい風が吹きました。OBや池、バンカーが多く待ち受けるカーヌスティに風が吹いたことで、単純にティショットの難易度が跳ね上がり、それはとくにトップに立つ選手たちに強く作用しました。トッププロであれ誰であれ、首位に立ったらその状態を守りたいと思わずにはいられません。バーディを奪うのではなく、ボギーを叩きたくない、スコアを守りたいという意識が芽生えると、どうしても「置きに行く」動きになります。

勝負の分かれ目は11番ホール。タイガーがダブルボギーを打ったホールです。タイガー・ウッズは非常に良いプレーをしていましたが、ここ数年のブランクが、勝負どころでほんの少しの隙を生んだのでしょうか、ティショットを右のラフに外し、セカンドは左に引っかけてしまいます。迎えた3打目、ボールは芝の上に浮いていましたが、タイガーはフェースを開いて浮かせるアプローチの素振りを繰り返していました。目の前で見ていましたが、いかにも「下をくぐってしまいそうだな」という状況から、結果はまさにフェースが下をくぐるミス。ミスショットであり、ジャッジミスでもあったと思います。

画像: 大会の主役となったタイガーだったが、「あとひとつ」が決めきれなかった

大会の主役となったタイガーだったが、「あとひとつ」が決めきれなかった

無敵状態だった頃のタイガーは、このような場面でミスどころかピンチをチャンスに変えるミラクルチップインバーディを奪ってきました。そうでなくとも、ボギーパットを外したのは、やはりタイガーらしくない、という印象を受けました。勝負は紙一重ですが、タイガーも万全な状態には紙一重で達していないように感じました。今季メジャー最終戦・全米プロでの活躍は、今回あまり使わなかったドライバーの調子次第だと思います。

画像: 耐えに耐えたモリナリが、最後の最後で頭ひとつ抜け出し、イタリアに初のメジャータイトルをもたらした

耐えに耐えたモリナリが、最後の最後で頭ひとつ抜け出し、イタリアに初のメジャータイトルをもたらした

優勝したモリナリは、終始攻めの姿勢を崩しませんでした。たとえティショットが曲がっても寄せてしのぐ。寄せ切れなくてもパターでしのぐといったように、「伸ばさないと勝てない」からこそ、必死になってプレーすることが、結果的にはスコアを守ることにもつながり、72ホール目での差し切り優勝という理想的展開をもたらしました。もしモリナリが最終日に首位からスタートしていたら? バーディではなくボギーが先に来ていたら? 勝負にifはありませんが、勝者の名前は変わっていたかもしれません。

非常に面白かった今回の全英オープン。またしてもifですが、松山英樹選手が仮に予選を通過していたら、予選を3オーバーのギリギリで通過して、最終的に2位タイまで順位を上げたジャスティン・ローズのように、上位を脅かすプレーをしてくれた気がしてなりません。8月第1週、昨年勝っているWGCブリヂストン招待、そして続く全米プロでの巻き返しに、大いに期待したいと思います。

撮影/姉崎正


※2018年7月23日午後6時30分、内容を修正しました

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