WGCブリヂストン招待は最終日、J・トーマスの優勝で幕を閉じました。現地で取材を続ける月刊ゴルフダイジェスト・ケンジロウが注目したのは優勝したJTではなくJ・デイ。その球筋に変化が見られるようだが!?

こんにちはケンジロウです。アクロンのファイヤーストーンCCからお届けしております。

WGCブリヂストン招待最終日が終わりました。結局ジャスティン・トーマスがリードを保ったまま15アンダーで優勝。2位にはスコアを2つ伸ばしたカイル・スタンリー。そして3位タイにはトービヨン・オルセンとダスティン・ジョンソンの2人。2人ともこの日6アンダーというビッグスコアを出して上位陣をごぼう抜きしました。

注目のタイガーは、スコアを3つ落として31位タイでフィニッシュ。それでも最後は18番でバーディをとって詰め掛けた大勢のギャラリーを沸かせていましたよ。

さて今日の話題はというと、世界の怪物シリーズ第3弾、ジェイソン・デイです。

画像: 「WGCブリヂストン招待」を10位タイで終えたジェイソン・デイ

「WGCブリヂストン招待」を10位タイで終えたジェイソン・デイ

トップと4打差の4位で最終組の1つ前でスタートとしたデイですが、この日はスコアを3つ落として10位タイでフィニッシュ。後半出だし3ホール連続バーディでトーマスを猛追したんですがね。16番の池ポチャで万事休すでした。

さてテレビ中継を見て気づいた方はいるかもしれませんがデイにある変化がありました。それは、ドローからフェードの球筋になったということです。デイといえばカチ上げ系のドローでハイボールを打つイメージがありますが、今週は基本的にストレートに近いフェードで球を打っていました。

最終日のスタート前の練習場でもストレートフェードを打っていましたね。その後コースでも見ていましたが、やはりフェード系の球が多かったですね。

ではいったいスウィング中の動きでどこが変わったのか? 現場でデイのスウィングを見ていた関係者に話を聞きました。

「以前はもう少し上腕の力に頼って開いたフェースをパチンと閉じるようにして打っていましたよね。その打ち方で無理矢理“吹け上がる球”を打っていました。だからスピンも多く、プロでは珍しく、アマチュア向けのスピンが減らせるアイアンを使っていましたものね。

今までのデイはインパクトにかけて骨盤が浮きやすくつられて手元が浮いてくるのを上腕でねじ伏せていたんです。それが新しいスウィングではインパクト付近で骨盤が浮かなくなり、体の前にフトコロができて右半身で球を押せる形になりました。体の圧がかかったフェードが打てていますよね」

画像: インパクトで懐が深くなりドローからストレート系のフェードにスウィングチェンジしたデイ

インパクトで懐が深くなりドローからストレート系のフェードにスウィングチェンジしたデイ

なるほど。確かに去年のスウィングと比べると今年のほうがインパクトのときのふところが深いですものね。

「クラブ軌道がゼロ度(いわゆる目標に対して完全なストレート)に近いので、ショットの安定感は増すはず。今のスウィングならドローもフェードも両方打てるでしょう。今までもフェードは打っていたと思いますがフェードのときは極端に距離が出ていなかったと思いますよ」

ふむふむ。スウィングがさらにブラッシュアップされた感じですね。

ところで知っていました? デイってショットメーカーなようなイメージがありますが、実はグリーン上で最も成績をあげている選手なんですよ。彼のスタッツを見ると今シーズンのショット貢献度がランク38位なのに対し、パットの貢献度はなんとランク1位。いかにパターで活躍しているかがわかりますよね。

画像: パターの貢献度は1位なのでショットさえ復調すれば優勝候補に名乗りを上げるだろう

パターの貢献度は1位なのでショットさえ復調すれば優勝候補に名乗りを上げるだろう

そこに今回のショットの安定感が加わったとしたら、もうどうなっちゃうんだろう。ブリヂストン招待はあと一歩優勝に届きませんでしたが、来週の全米プロ、優勝候補筆頭なのは間違いなさそうですね。

写真/姉崎正

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