「プロゴルファーは、きっと誰しも、フェース面に砂つぶが付いていたせいで打ったボールが思わぬ転がりをしてしまった、そんな経験があるのではないでしょうか。だから、習慣的に打つ前にフェース面を拭くんだと思います」
そう“拭く理由”を解説するのはプロゴルファーの中村修。
「たかが砂つぶ、されど砂つぶ。たった1つぶでもフェース面に付着していれば、手には砂を潰したときの“ジャリ”っという不快な感覚が残りますし、ボールの打ち出し方向にも微妙な影響を与えてしまいます。私自身、大事な場面でのパットを、フェース面に挟まっていた砂のせいで外した苦い経験があり、それ以来パットに臨む前にはフェース面をひと拭きするのが習慣になっています」(中村)

打つ前にフェース面をサッとひと拭き。この動作をルーティン化するプロは多い
中村いわく、なかでも要注意なのは雨の日のグリーン上。ボールにもフェース面にも砂がつきやすく、ボールをタオルでよく拭いて安心していると、フェース面に砂がついていてあらぬ結果に……なんてことが起こらないよう、よくよく気を使うという。
1ストロークを必死になって削り出すプロにとって、砂つぶ1つでも“想定外”のものは受け入れられないというわけだ。
パターに限らず、アイアンならば芝一本、ドライバーならば水滴が一滴ついているだけでスピンが減り、結果に影響を及ぼす。アマチュアと異なり、ほんの少しの違いを敏感に感じることができ、再現性の高い動きができるからこそ、プロは“一つぶ”が気になるのだ。
腕前は異なれど、砂つぶがパットの方向性に影響を及ぼすということはアマチュアゴルファーにも起こる。パットの前にはフェース面をサッとひと拭き。習慣にすると(プロみたいでカッコよくもあるし)いいかも。