いまどきドライバーは溝を入れられない?
溝の役割は、フェース面についた水滴などの異物を排出するためにある。特に水滴はスピン量に大きく影響するため、屋外でプレーするゴルフの場合、アイアンやウェッジでは溝が必須となる。
ところがドライバーの場合、フェース面にアイアン様の溝が彫られたものもあれば、まるっきりないものもあるかと思えば、フェースの左右には溝があるものの中央部だけはないものがあったり、千差万別。この違いはどこから来るのだろうか?
答えのひとつとして、昨今のドライバーはフェース面が薄く加工されていることで、そもそも溝を掘りにくいというケースがある。そのため、基本的にティショット専用であるドライバーでは水の影響は地面から打つクラブに比して低いこともあり、溝なしになっているというわけだ。
実際、フェース面に溝がないと、なんとなく「弾きが良さそう・飛びそう」という印象をゴルファーは無意識に受ける。
ならばどのドライバーも溝がなくても良さそうなものだが、とくにプロモデルの多くは溝がある。これは、よりシビアに弾道をコントロールしたいプロや上級者にとっては水の影響を最低限に抑えたい
こともさることながら、溝があることによってターゲットに対してスクェアに構えやすいという効果もある。
フェース面をターゲットに合わせられるアイアンと異なり、ドライバーはフェース面が多少湾曲していることもあって、ターゲットに直角に合わせるのが難しい。溝=直線があると、その分だけ構えや
すさがアップするというわけだ。
フェースの中央部だけ溝がないパターンは、上に挙げたふたつの折衷案、あるいは“いいとこ取り”といったところか。最近では、溝とまではいかないごく細のミーリング加工を施すケースもある。これは、効果としては溝なしと溝ありの中間に位置すると考えていい。
さて、ここで質問。あなたのエースドライバー、溝はありますか? 「あれ、どっちだったっけ」という人、意外と多いのでは。
※一部訂正致しました(2018.8.24 15:43)