プロトーナメントの開催コースでは通常営業時よりも難易度の高い、試合用のコースセッティングがされていることは周知のことだが、具体的には何をどう考えてセッティングを決めているのだろうか。そこで、ISPSハンダマッチプレー選手権2018のコースセッティングを担当した佐藤信人に話を聞いた!

4日間のピン位置はどう決まるのか?

今週は日本ツアー唯一のマッチプレー競技であるISPSハンダマッチプレー選手権が行われます。わたしはコースセッティング担当でこの試合に携わっています。

日本の男子ゴルフをテレビでご覧になったことがある方は「今週のコースセッティングアドバイザーは〇〇プロが担当しています」というような実況アナウンサーの言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

画像: 今年の日本ゴルフツアー選手権も佐藤信人がコースセッティングを担当した(写真は2018年の日本ゴルフツアー選手権 撮影/姉崎正)

今年の日本ゴルフツアー選手権も佐藤信人がコースセッティングを担当した(写真は2018年の日本ゴルフツアー選手権 撮影/姉崎正)

実際我々コースセッティングアドバイザーがどんなことをしているのか簡単に紹介したいと思います。

大会にもよりますが、まず大会の3〜5ヶ月前くらいに最初の顔合わせがあります。主催者、開催コース、放送局、運営会社、JGTOがそれぞれ代表者数名を送り、コースの下見をして今年の大会はこんな感じでやりましょうという打ち合わせをします。

そこで我々はグリーンキーパーに「グリーンはスティンプ11〜11.5フィートくらいでコンパクションは24くらいで」とか、「ラフの基本的な長さは80〜100ミリくらいで、でも◯番ホールの右ラフは深くして左ラフは浅く」とか、「ここはミスショットが池に入るように短く刈り込んで欲しい」とか、「ギャラリーが見るのに邪魔になるあの植え込みは撤去していただけないだろうか」など、とにかく気づいたことや要望をたくさんリクエストします。

さらに途中経過を見る下見、最終下見と事前に何回かコースを訪れて、仕上がり具合をグリーンキーパーに聞いて相談しながら大会週にベストコンディションに持っていけるように調整していきます。

画像: ISPSハンダマッチプレー選手権2018の3回戦~決勝の開催コースである鳩山カントリークラブ。コースセッティングアドバイザーが大会用のセッティングを考え、プロたちの舞台を整える(撮影/坂井秀樹)

ISPSハンダマッチプレー選手権2018の3回戦~決勝の開催コースである鳩山カントリークラブ。コースセッティングアドバイザーが大会用のセッティングを考え、プロたちの舞台を整える(撮影/坂井秀樹)

大会週に入ると練習ラウンド、プロアマ、大会初日から最終日までのホールロケーションを決めるのが一番大きな作業になります。

他のプロがどういう風に決めてるのかはわかりませんが、わたしはまず最終日の中継でよく映ってくる13〜18番ホールから決めていきます。

伝統的なロケーションがあるのかチェックして、そういうのがなければ最終18番のどこで勝者が手を上げるのが1番絵になるのかなど想像しながら18番から13番まで遡るように決めていきます。18ホール全体的に左右、手前や奥のバランスが良くなるように、パー3が全部左サイドだとかパー5が全部奥のピンだとか何ホールも連続で左ピンなどとならないように気をつけながらパズルをはめていくようなイメージで4日間のロケーションを決めて、試合で使わないところに練習ラウンドやプロアマのロケーションをはめこみます。

自分なりに全体的にバランス良く決めたと思ったら急に天気予報が雨に変わって、翌朝水のたまりにくいところに急遽ピンを切り替えることになって、バランスがめちゃくちゃになってしまうこともしばしばあります。

自分ではバーディ量産ホールだと思って切った手前のピンが思わぬ風向きの変化で難しいホールになってしまうこともよくあります。

少し厳しく行こうと当初の予定より若干傾斜の強いところに動かしたら午後からグリーンが乾いて速くなり苦情が出るレベルになってしまったこともあります。常に試行錯誤しながらフェアでチャレンジしがいのあるセッティングというのを模索しています。

今週はマッチプレーということで、普段はあまり切らない厳しいロケーションや、普段はあまり切らないやさしいど真ん中のロケーションもあります。パー3が4つありますが、4つともなるべく違う番手で打つようにティを動かしたりしています。決勝戦が18番ホールで決着することを夢見ながら楽しみに見守りたいと思います。

GOLF5

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