スロースターターのタイガー・ウッズがプレーオフ第3戦目にしてついにロケットスタートを見せた。ライダーカップ出場も決まりいよいよタイガー劇場のクライマックスがやってくる!?

BMW選手権初日タイガーは8アンダー62のシーズンベストをマーク。ローリー・マキロイと並びリーダーボードの最上段に名を連ねた。

「ピンに絡むショットの連続でパットもきっちり決めていた。見ているこっちが楽しくなった」と同じ組で回ったリッキー・ファウラーを唸らせた完璧なプレー。

16番パー5では残り230ヤードのセカンドショットを3番アイアンでピンそば2メートルに寄せイーグルを奪う。「あれは完璧だった」と本人も認めるショットはまるでショートアイアンを操っているかのような軽快さ。

好調の要因はパット。「今日は入ったね」と笑うタイガーの手に握られていたのはここのところ封印していたスコッティキャメロン。「99年からの付き合いだからね。お互い気心は知れている。ここのところベンチ入りだったけれど使ってみたらいい感じだった」とメジャー13勝を挙げた大エースがバッグに復活。ハーフ『29』をマークしたのは07年のザ・ツアー選手権以来じつに11年ぶりのことだった。

画像: 6月末にマレット型の「アードモア3」に替え、直近の「デルテクノロジーズ選手権」ではピン型の「ジュノ」を使用していたタイガー。ついに“長年の相棒”が実戦に戻ってきた(写真は2018年のザ・ホンダクラシック 撮影/姉崎正)

6月末にマレット型の「アードモア3」に替え、直近の「デルテクノロジーズ選手権」ではピン型の「ジュノ」を使用していたタイガー。ついに“長年の相棒”が実戦に戻ってきた(写真は2018年のザ・ホンダクラシック 撮影/姉崎正)

大会前にはライダーカップのメンバー入りが発表された。勝っても負けても賞金はゼロ。国の名誉とプライドを賭け、大の男が勝って泣く欧米チーム戦は「初出場したときからチームが醸し出す情熱や興奮に肌で触れ、いかにこの大会に意味があるかを実感した。それ以来絶対出たい、絶対にメンバーにならなきゃいけないと思ってきた」とタイガー。

今年のはじめキャプテンのジム・フューリックから電話で副キャプテン就任の要請を受け「どんなことでチームのためにアシストする」と快諾したが「本心では選手としてプレーしたいという思いでいっぱいだった」

だからこそ奇跡のV字回復でキャプテン推薦でのメンバー入りが決まったときには「言葉でいい表せないくらい感激した」。20代の“キッズ”たちが大半を占めるチームのなかでミケルソンとともに担うベテランの役割は大きい。

9月最終週に行われる決戦の舞台はフランスのル・ゴルフ・ナショナル。米チームがアウェイで勝利したのは1993年が最後。

「このチームなら25年ぶりに敵地でカップ奪還が叶うはず。これまでで一番エキサイティングなライダーカップにしたい」と意気込むタイガーだが、その前にまずはBMW選手権での完全復活優勝、そして年間王者へと続くミッションが残されている。

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