岡本綾子も、宮里藍も手が届かなかったメジャーをつかめるか
まだエビアン選手権がメジャーに昇格する前、エビアンマスターズだった時代に宮里は今大会で2度の優勝を挙げている。
米ツアー本格参戦して4年目の09年、ソフィー・グスタフソンとのプレーオフを制し初勝利を飾ったヒロインは「決して遠回りじゃなかった」と頬を涙で濡らしたもの。11年は海外では初めて沖縄の両親が観戦する前で掲げたトロフィーに感無量の表情を浮かべていた。
そして昨年、幼いころからのコーチである父・優さんが独学でゴルフを学んでいたとき、雑誌の連続写真の切り抜きを壁に貼り研究に勤しんだゲーリー・プレーヤー氏が会場にサプライズ登場。宮里に花束を渡し抱き合って涙したシーンは記憶に新しい。
ときは確実に流れ1年後、今度は畑岡が百花繚乱のメジャーで主役になろうとしている。
「思ったようなゴルフができたわけではないけれどティショットがフェアウェイに行ってくれたので良いスコアで回れました」と畑岡。上がり3ホールも長いパットを沈めて連続バーディでフィニッシュすると「いいパットだった」と4アンダー67は首位と2打差の4位タイの快調な滑り出しを見せた。
メジャー第3戦のKPMG女子PGA選手権でプレーオフに進みながら現在世界ランク1位のパク・スンヒョンに敗れたとき「メジャーのラフはきついからきちっとフェアウェイをキープしなければならない」と改めて教訓を胸に刻んだのだとか。
残り3日は「今日と同じように結果を意識しすぎずやるべきことをやりたい」と鈴のような可愛らしい声で抱負を口にした。
77年の全米女子プロゴルフ選手権(現KPMG女子PGA選手権)で樋口久子が日本人ではじめてメジャー制覇をしてから41年。アメリカで賞金女王に輝いた岡本綾子も、世界ランク1位を経験した宮里もあと一歩まで迫りながら届かなかったタイトル。勢いのある19歳が一気にその壁を突き破ってくれそうな予感がするのだが……。