ハーフキャビティとマッスルバックのコンボアイアン「X-BL」
X-BLは3番から7番までのロング番手と8番からPWまでのショート番手でバックフェースの形状が異なるコンボアイアン。8番まではマッスルバック形状、7番以降はハーフキャビティ形状となっている。BLはおそらく「ブレード」の略だろう。シャープな印象のクラブだ。
まずはX-BLの9番から試打。試打した堀口の飛距離は149ヤード。「マッスルバックっぽい感じ(の弾道)」と中村が言う通り、打ち出しが低めだがスピンでボールがしっかり上がっている。
「打感が柔らかいですね。昔のマッスルバックを思い出させてくれるような、それでいてちょっと低重心だからやさしさも兼ね備えています」(堀口)
続いて7番を試打。こちらは形状が異なり、ハーフキャビティだ。
「ヘッドの流れは変わらないですね」と堀口が語るように、バックフェースの形状は異なれど、顔の流れは統一されている。打った飛距離は174ヤード、ストレート弾道の良い球が飛び出した。
「これも打感が柔らかいですね。ブレード(アイアン)と変わらないくらい柔らかい。スッと構えられてアドレスしやすいので、難しさはないと思います」(堀口)
番手ごとに設計を変えながら、セットとしての統一感もあるのが好印象。スピンのしっかり入った弾道でグリーンを狙い撃ちしたいゴルファーの、強い武器になってくれそうなアイアンだ。
“往年の名器”ジョーキャビティが思い出される「X-CB」
X-BLよりもさらにキャビティが深くなって少し大きくなったのが「X-CB」。CBの名の通りのキャビティバック形状。X-BL同様に軟鉄鍛造製法だが、バックフェースのトウ・ヒールにボリュームを持たせることでミスへの許容性を上げつつ直進性能も高めている。
その7番を打ってみると、飛距離は170ヤード、X-BLよりも少し高い弾道となった。
「今のは結構ミスショットに近いんだけど、飛んでいますね。芯が広いからミスに強いんだと思います」(堀口)
もう一度打つと、今度は185ヤード。「X-BLよりも距離が出ています。一発目もミスしてしまいましたけど、それなりに飛んでいってくれました」とミスへの許容性を実感していた。
もう一人の試打者中村がX-CBに抱いた印象は、ある往年の名器と似ているという。
「昔のジョーキャビティみたいなイメージがちょっとあって。やさしさと構えやすさとカッコ良さとを兼ね備えたアイアンですね」(中村)
ロケットみたいな高弾道「X-CBP」
最後はX-CBP。P=ポケットの名がつく通り、ポケットキャビティを採用することで許容性を高めつつソフトで弾く打感になっている。ヘッドサイズはやや大きめでトップブレードもやや厚めと、やさしさも備えている。
X-BLとX-CBはプロモデル。それに比べてCBPは基本的にはやさしくて飛ぶアイアンだ。
中村が「ロケットみたい」と形容した通り、7番アイアンで打ち出したボールは勢いの良い高弾道。
「186ヤードで球の高さが他の二つ(X-BL、X-CB)に比べると、いきなり高く上がっていく感じになりましたね。スピン量は5000回転弱と少なくなっていますが、その代わりに球がすごく高い。高さで止めていく感じのアイアンですね。相性のいいボールとマッチングさせると非常に効果が期待できます」(中村)
3モデルの中でもっとも飛び、もっともボールが高く上がったのがこのCBP。アイアンに飛距離も欲しいアマチュアには、有力な選択肢となりそう。
今回の3種の中でどれを使いたい? という質問に堀口は「高さに魅力を感じますね」と迷わずX-CBPを選択。飛び系といえども極端ではないので、プロが使うこともできるようだ。
「打感とコンパクトさを求めるならX-BL、少し寛容性を求めたければX-CBといった選択になってくるでしょう。ブリヂストンならではの顔つきに魅力がありますし、ドライバーと同じ流れで使えて非常に良いですね」(中村)
動画では実際の試打の様子や、打球ごとの計測データを詳しく見ることができる。ぜひチェックしよう!
協力/PGST