タイガーの奇跡の復活劇に沸いた2018年のPGAツアー。そのタイガーも駒を進めたとあって、さぞかし盛り上がっているのだろうと思いきや、「現場はいつも通り。むしろ(出場選手が)30人しかいないから、しれーっとしてますよ」とレックス倉本は言う。
「火曜日はギャラリーなし。水曜日はギャラリーも入れていましたが、メジャーのような熱気というわけでは正直ないですね。やっぱり、30人しかいないから、普段のトーナメントとは全然違う雰囲気です」(レックス)
選手たちも長いシーズンを戦い抜いてここまでたどり着いたことで「みんな、疲れ果てている」というのが正直なところなよう。そんな中、遅い時間まで熱心に練習していた選手が二人いるという。
「一人は(現在世界ランク1位の)ジャスティン・ローズ。遅い時間までボールを打って、練習していました。もう一人、彼の場合はいつものことだけど、ブライソン・デシャンボーも遅くまでボールを打っていましたね。これはプレスインタビューで聞いた話ですが、朝露がボールにどう影響するかを知るために、ボールに霧吹きで水をかけて練習していたそうです」(レックス)
世界ランク1位のローズ、そして現在ポイントランク1位で1000万ドルのビッグボーナスに最も近い場所にいるデシャンボーは、やはり気合が入っているようだ。
そのデシャンボーと練習ラウンドをともにしていたのが、注目のタイガー・ウッズ。
「デシャンボー、トニー・フィナウという(来週開催される米欧対抗戦)ライダーカップのメンバーとラウンドしていましたが、先輩というか先生というか、メンター役を務めていましたね。優勝目指してギラギラしている感じはなく、自分の理想とするゴルフをするためにどうしたらいいか、そこを考えているように見えました。ショットは調子良さそうです」(レックス)
最後になんといっても気になるのは松山英樹。今シーズンは未勝利だが、プレーオフで調子を上げ、最終戦にまで進出してきたのはさすが。土壇場での初優勝を期待してしまうが……。
「月曜日は休んで火曜日水曜日と9ホールずつのラウンド。気候がいいというか、むしろ暑いので体力を温存している感じで、調子自体は安定していると思います。火曜日にインタビューしたときは、『理想とする調子ではないけど、一週間前から急激に悪くなるわけでもない』と言っていました。最終日に向けてベストな状態を作りたい、そんな感じでしょうか」
30人のエリートフィールドは、出場者が少ない分だけ当然優勝のチャンスが高まる。日本のエースの勝利を期待したい。