独自に考案した「ツイスト打法」で300ヤード以上飛ばす“雑巾王子”こと武市悦宏。武市は、飛ばしに必要な“タメ”は、左足を踏み込むことで簡単にできると言う。自身の著書「オレって、こんなに飛んだっけ?」より、タメの作り方についてご紹介。

空き缶を思いっ切り踏み潰したら、勝手に“でらタメ”!

しっかし、お金って貯まらないよねー。やっぱり意識的に貯めようと思わないと、貯まらないよね、お金は。

でもさ、それと間逆なのが、シャフトなのよ。こっちは、意識すれば意識するほどタメられない。

昔、一生懸命にタメを作ろうとしていたとき、デジカメでスウィングの連続写真を撮ってみたんだ。そしたら、驚いたね。インパクトで腰砕け状態で、ブサイクったらありゃしない。

見た目を重視するボクとしてはア然としたけど、次の瞬間スイッチ入ったね。その日から「どうやったらカッコよく写るか」という研究を開始! この際、球筋はどうでもいいので、とにかく写真写りのいい男前スウィングを目指すことにした。

カッコよく写るには、インパクトでのタメと、シャフトのしなりが絶対条件。

だけど、これが意識すればするほどダメ。腰を切っても、右ひじを右わきに近づけてもダメ。あれこれ試すうち、デジカメもオーバーヒート寸前となり、いい加減やめようと思ったとき、「あ~あ」って感じで、ダウンスウィングのとき左足をダンって地面に踏み込んでみたんだ。そしたら、ムムム! 一番男前に撮れてたんだわ。タメなんて一切気にしてないのに、タマってるし、シャフトもムチのようにしなっている。飛距離も伸びた。

ほほ~これか! 切り返しと同時に左足を踏み込むと、左腰がブロックされ、腰の回転が止まる。だから、伸び上がってスウェイすることもない。

画像: 切り返しと同時に左足を踏み込むだけで、意識せずともシャフトがしなりタメを作れると武市

切り返しと同時に左足を踏み込むだけで、意識せずともシャフトがしなりタメを作れると武市

よっしゃ。この路線でがんばってみようと、次は空き缶を立てて、ダウンスウィングのとき左かかとで思いっ切り踏み潰す練習をした。幸い雑巾一家は飲んべえぞろいなので、ビールの空き缶は腐るほどある。

100本ほど潰しただろうか……再び連続写真を撮ってみた。そしたら、どうよ!? 我ながら惚れぼれするほど男前スウィングに変身していた。

うれしくなって、毎日グシャグシャ踏みまくっていたら、あるとき「グキッ」とやっちまった。缶を踏みはずし足首を捻挫。結局、僕にはこういうオチがつくんだよね。だから、みなさんが真似をするなら、空き缶ではなく、紙コップくらいがオススメだよ。

あと、タメを作ると左手の親指にシャフトが乗ってくるので、付け根を痛める可能性があるのでご注意を。ちょっと、左親指を立てて「イエーイ」のポーズを取ってみて。親指が後ろにグッと反る人は、飛ばしに向いているよ。付け根に柔軟性があるほうが、しなっているシャフトの重さに耐えられるからね。

逆に言うと、この部分に負荷を感じない人は、シャフトがしなってない証拠かも。いわゆる棒振りってことだから、飛ばないよ。飛ばしたければ、ダウンスウィングで左足を真下に踏み下ろすこと。そしたら、シャフトが自然としなり、憧れの“タメ”が完成! 球も爆飛びさ。ただし、タメを作ろうと意識するのは百害あって一利なしだから、要注意ね!

もう一度いうけど“意識して貯まるのはお金だけ!”。なーんて、一番言い聞かせたいのは、自分なんだけどね。あ~、今月も金欠や。

「オレって、こんなに飛んだっけ?」(ゴルフダイジェスト新書)より *一部改変

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