ライダーカップ も終わり、早速2018〜2019年度のPGAツアーが開幕。第1戦のセーフウェイオープン(カリフォルニア州ナパ)を制したのは、30歳のケビン・ツエー。ツアー8勝、メジャー1勝を挙げたボブ・ツエーの息子で、ツアー初優勝だった。
「プレーオフではとにかくいいショットを打とうとした。3連続バーディが取れてよかったよ。今は何も頭に言葉が浮かんでこない。たぶん父は涙を流していると思う。僕のことを誇りに思っているだろうね。ここまでは長い道のりだったけど……」
1986年の全米プロで父が優勝した2年後に生まれたケビンは、父と同じオクラホマ州立大に進み、数々のアマチュア大会で優勝を果たした。2005年の全米ジュニアアマでの優勝が最も有名で、大学在学中はオールアメリカンにも選ばれた。
2011年に大学を卒業するとプロ転向し、トラベラーズ選手権で父をキャディに従え、プロデビューを果たしたが、シード権を獲得するまでには至らず、2013年にはPGAツアーの下部ツアーであるWeb.comツアーを転戦。アルバートサンズ・ボイズオープンで優勝し、翌年のPGAツアーのシード権を獲得するも、23試合のうちたった8試合でしか予選通過を果たせず、再び2015年にはWeb.comツアーに逆戻り。
2017年はチューリッヒクラシック3位など何度か上位に顔を出し、翌年のシード権を確保して、ついにセーフウェイオープンで、ブラント・スネデカー、ライアン・ムーアとの3人のプレーオフを制し、ツアー初優勝を飾ったのだった。
これでマスターズやセントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ(編注:前年の優勝者のみが出場できる年明けに開催される試合)行きのチケットを確保したことになるが、2020〜2021年シーズンのシード権も早々に決め、本人も父ボブもホッと一息ついていることだろう。
メジャーチャンピオンの父を持ち、ジュニア時代から活躍していたケビンが、周囲から高い期待を寄せられていたにも関わらず、なかなか結果を残せなかった日々も、ひとまずこうして終止符が打たれたのだった。
ところで父と息子がツアーで優勝するというのは、過去いったい何組果たしているのだろうか? 過去を遡ると
トム・モリスSr. & トム・モリスJr.
ウィリーパーク & ウィリーパークJr.
ジョー・カークウッドSr. & ジョー・カークウッドJr.
ジャック・バークSr. & ジャック・バークJr.
クレイトン・ヒーフナー & ヴァンス・ヒーフナー
ジュリアス・ボロス & ガイ・ボロス
アル・ガイバーガー & ブレント・ガイバーガー
ジェイ・ハース & ビル・ハース
クレイグ・スタドラー &ケビン・スタドラー
ボブ・ツエー & ケビン・ツエー
と10組目である。ちなみにヨーロピアンツアーではアントニオ&イグナチオ・ガリドー、ホセ・マリア&アレハンドロ・カニザレスがいる。そして実はここでもクレイグ&ケビン・スタドラー親子の名前が出てくるが、彼らはアメリカだけでなく、ヨーロピアンツアーでも親子で優勝を果たしている。
長いゴルフの歴史において、親子で優勝するというのはただでさえ難しいことだが、スタドラー親子は世界でたった1組、欧米両ツアーを制している稀有な親子なのだ。なお、母親と娘がLPGAツアーで優勝したという記録は今のところない。
*2018年10月9日 12時20分 文章を一部修正致しました