横浜CCが真のチャンピオンシップコースへと生まれ変わった
第83回日本オープンが横浜カントリークラブで行われます。日本オープンといえば狭いフェアウェイに深いラフ。ティショットではドライバーを持たずに徹底的に刻んで我慢強くプレーした選手の優勝というようなシーンを何度となく見てきましたが、今年は違った日本オープンになりそうです。
ビル・クーア&ベン・クレンショーの改造によって新しく生まれ変わった横浜カントリークラブのコースの特徴としては、まずフェアウェイが平均30ヤード以上あり、いつもの日本オープンの設定とはまったく違う広々とした印象を与えます。
次にグリーン周りが短く刈られていて、グリーンを少しでも外れるとコロコロと転がって遠く離れてしまう形状が多いことです。そしてバンカーは入ってみると意外と深く配置も絶妙で、選手はコースマネジメントするうえでバンカーには常に気をつけながらのプレーになりそうです。
また砲台型のティグラウンドはほとんど姿を消し、フェアウェイと同じ高さにあり、アメリカのコースのような印象です。グリーン周りもグリーン面がしっかり見えて観戦しやすいホールが多く、日本には数少ない真の意味でトーナメント向きの本格チャンピオンシップコースだと思います。
西コースがメインですが、東コースの2ホールを挟んだコンポジットの18ホール7257ヤードパー71で、パー5が2ホール、パー3が3ホール、残り13ホールがパー4という構成です。
距離がたっぷりあって、フェアウェイは広く、ラフはやや浅めです。凄くロングヒッター向きの印象ですが、ラフが浅いので曲がるとラフを突き抜けてその周りの林やネイティブエリアまで行ってしまい大ケガへと繋がります。
グリーンは手前や左右が落ちていることが多く、アイアンの正確性が最も重要な要素かもしれません。グリーンを外すと例年の日本オープンだと深いラフが待ち受けていますが、今回はグリーン周りは短く刈り込まれているのでタイト(締まったとか目が詰まってるみたいなイメージ)なフェアウェイから多彩なアプローチの技術が求められるということです。こういうコースは日本ツアーにはあまりないタイプで、やはり海外経験が豊富なショットメーカーが優勝するんじゃないかという印象を持っています。
アダム・スコットはグリーン上でのミスがなければ……
アダム・スコットが2年ぶり4回目の日本オープン出場です。過去3回と比べるとコースが圧倒的に向いてると思います。全米プロでは最終日最終組でケプカと同組でプレーし、最後まで優勝争いを演じました。ワールドランキングも50位以内へと返り咲き、選手としてのモチベーションが高い状態だと推測します。
日本オープンもここ5年で4回目ということで、日本のコースや選手・ギャラリーの雰囲気にも慣れて違和感なく試合に入れるのではないでしょうか。17-18シーズンはパッティングでは苦労しましたが、今週はグリーン上で大きなミスをしなければショット力でかなり優位に立てると思います。
JGAのセッティングといえば池田勇太選手が圧倒的な強さを誇ります。先月やはりJGAのセッティングであるダイヤモンドカップでは2位に6打差をつけ、他を寄せつけない強さで20勝目を飾りました。またここ4年の日本オープンでは優勝2回に2位2回と抜群の相性です。
例年と違うセッティングが池田選手にとって有利に働くかはわかりませんが、海外経験が豊富、現在トータルドライビングが1位でパーオン率は2位というショットメーカー。ここで勝って3度目の日本オープンタイトルを取り、2度目の賞金王に向けて突っ走る可能性は十分あります。
また先週シンガポールでアジア・パシフィックアマで見事な優勝を果たした金谷拓実選手をはじめ、中島啓太選手やデービッド・ミクルージーといった海外経験豊富なトップアマは日頃日本ツアーで戦ってるプロたちよりもこういうタイプのコースに慣れていると言っても過言ではありません。91年前の第1回大会で優勝した赤星六郎さん以来のアマチュア優勝がひょっとするとあるかもしれません。
*2018年10月10日17時27分 一部文章を修正致しました