日本オープン初日を4アンダーとまずは順当なスタートを切ったアダム・スコット。かつてタイガーに憧れ、“ホワイト・タイガー”とも呼ばれたアダムに、大会前の練習日、奇跡の復活優勝を遂げたタイガー・ウッズについて聞いてみた。

「世界のゴルフ界において、タイガーは今でも最も重要な選手なんだ」

みんなのゴルフダイジェスト編集部(以下、編集部):タイガーがツアー選手権で久しぶりに勝って、ついに80勝目をマークしましたね。

アダム・スコット(以下、アダム):あれはすごかったね! エキサイティングな試合だった。僕も興奮したよ。世界のゴルフファンたちは皆、タイガーのカムバックを見たかったからね。ツアー選手権の最終日、最終ホールでタイガーを取り囲むように大勢のギャラリーがロープ内になだれ込んできたでしょう?

編集部:そうですね。あれはすごかったです!

アダム:でもそういうことができる選手って、今の時代ならタイガーくらいしかいない。昔だったら、アーノルド・パーマーだったと思う。今も昔も、ギャラリーにこういうことを自然とさせることができる選手って、パーマーとタイガーくらいしかいない。この2人しかああいう雰囲気を作り出せないと思うんだ。

画像: 圧倒的なカリスマ性を持つタイガー・ウッズ。その復活で、来年のゴルフ界はさらに盛り上がるのは必至だ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

圧倒的なカリスマ性を持つタイガー・ウッズ。その復活で、来年のゴルフ界はさらに盛り上がるのは必至だ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

編集部:たしかに……。タイガーがまた強くなると私たちもワクワクしますけど、正直選手としては困るんじゃないですか!?

アダム:いや、僕たち選手としても、タイガーがこうして好調なゴルフをしてくれることを待ち望んでいたよ。それに必要なことだった。もちろん彼がまた昔のように強くなってくると、イヤだけどね(苦笑)。でも、彼は今でも素晴らしい選手だけど、もはや18年前の彼ではないし、2000年にグランドスラムを達成した頃の勢いとか強さはないと思う。昔の彼とは違うよ。

編集部:昔、あなたは「タイガーの影の中でプレーしていたようなもの。なかなか彼を前にすると勝てなかった」と言っていたけど、またそれに近い状況になると思いますか?

アダム:いや、そうは思わない。少し状況は違う。でも、間違いなく言えるのは今のPGAツアーや世界のゴルフ界において、タイガーは今でも最も重要な選手なんだ。今の時代、いい選手もたくさんいるけど、やっぱりタイガーほどの選手はいない。今の若手選手たちは、昔の最強のタイガーを知らないから、どんなに説明してもわからないんだけど、まぁタイガーも歳を取ってきたし、あそこまで恐れる必要もないと思うけど、ゴルフ界はああいう「モンスターゴルファー」を待ち望んでいるんだよ。

画像: かつて“ホワイト・タイガー”と呼ばれたこともあるアダム。タイガーに対するリスペクトは人一倍だ(写真は2015年のザ・プレーヤーズ選手権 撮影/姉崎正)

かつて“ホワイト・タイガー”と呼ばれたこともあるアダム。タイガーに対するリスペクトは人一倍だ(写真は2015年のザ・プレーヤーズ選手権 撮影/姉崎正)

編集部:ポストタイガーと言われた、あなたやセルジオ・ガルシアは、フィル・ミケルソンやアーニー・エルスと同様、タイガーの影に隠れてなかなかメジャーで勝てなかったから、タイガーの本当の怖さを知っている世代と言えますよね。

アダム:そうなんだ。でもタイガーのすごさ・怖さについて以前、マーティン・カイマーに説明してもわかってもらえなかったよ。タイガーは他の選手では務まらないし、彼しかいない。来年、タイガーがさらに復活したら、昔ほどじゃないけど、やっぱり困るな〜(苦笑)。

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