樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントの練習日、河本は練習場で同じ日本体育大学の卒業生、下川めぐみと何やら雑談中。二人の話の中で出てきたキーワードが「スウィング改造」「背筋」「肩の可動域」。もしかしたら賞金女王になった秘訣？ ということで、練習終わりの河本に話を聞いた。
スウィング改造で大切なのはトレーニングだった
みんなのゴルフダイジェスト編集部(以下編集部)：賞金女王おめでとうございます。先ほど下川プロとの会話の中でスウィングを改造したという話を耳にしたんですが、どうやって改造したんですか？
河本：簡単に言うと、手打ちから体で打つスウィングにしました。ちょっと口だけで説明するのは難しいんですが……。ずっとコーチがいなかったんですが、今年の1月にコーチ(目澤秀憲)に出会って、(コーチの理論などに対して)感じるものがあり、そこから(手打ちの)スウィングを直してコーチと一生懸命にやってきて、ようやくモノになってきたという感じです。
編集部：具体的にどのようなトレーニングをしたんですか？ 背筋と聞こえてきましたが……
練習場で同じ日本体育大学のOGでもある下川めぐみと話す河本結
河本：そうですね。背筋を鍛えています。トレーニングはずっとしていたんですけど、とくに背筋を鍛えることになった経緯は、PGAツアーの選手たちのトレーニングを見てからです。(PGAツアーの選手たちのトレーニングを)よく見ていると、背中側の筋肉を大切にしていたんです。
世界で戦うレベルの人たちでさえこんな地道なトレーニングをしているのだから、(世界で戦うには)こういうのが大事になってくるんだろうなと思って、トレーニングをしていますね。
編集部：なるほど。肩の可動域というのは？
河本：飛距離アップにつなげると思ったときに、肩の可動域を広げることや筋力が大切かなと。肩の可動域が広がったら、ヘッドスピードも使えるようになりますよね。体を動かすのが好きなのでトレーニングはずっとしています。大学もいい施設がありますし、助かっていますね。
編集部：肩の可動域を広げてヘッドスピードは上がりましたか？
河本：あまり自分では感じないんですけど、人から言われてわかったという感じです。自分はやることが「これだ！」と思っているので、これをやっていたら自然と上がったかな？ という感じです。
河本が抱き続けたレギュラーツアーへの思いとは？
編集部：来年からレギュラーツアーで戦っていくことになると思いますが、レギュラーツアーで目指すことは？
河本：同級生たち(畑岡奈紗や勝みなみ)はレギュラーツアーで活躍をしていたけど、私はQTに失敗してステップアップというところで一生懸命やってきました。ステップでやっているうちは同じように一生懸命頑張る同級生たちに刺激をもらっていたんですけど、今度は私も一緒になって同級生や他の選手に刺激を与えられるようになりたいです。
来年からはレギュラーツアーで活躍する姿が見られそうだ
人を感動させるようなプレーがしたいというのはすごく思います。(会場に足を運んでくれた人たちに)今日ゴルフ見に来てよかったなって思ってもらえたり、テレビをつけてゴルフを見て「やっぱりゴルフって面白いな」って思ってもらえたり、華やかなウェアを着てプレーしている姿をみて「女子プロゴルファーっていいな」って思ってもらえるようなプレーヤーになりたいです。
編集部：なるほど。今後長い目で見たときの自分の目標は？
河本：レギュラーツアーで活躍っていうのはありきたりなんですけど、一生懸命やったら結果はついてくると思っています。一番大きい目標は世界の舞台に行くことで、奈紗(畑岡奈紗)と全米女子で戦いたいです。今は奈紗とはかけ離れているんですけど、絶対に同じところに行って勝つことができると信じているので、まずは目の前のことをひとつひとつ、本当にコツコツとやっていかなきゃいけないなと思います。
でも、いきなりそんなことはできないですからね。ステップアップツアーでは、レギュラーツアーに来ても恥ずかしくないように戦える準備はしてきたので、あとはレギュラーツアーで経験を積んで、色々感じて吸収して、成長していきたいなと思っています。
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しっかりと自分の意志をもってゴルフに取り組んでいる河本結。来年以降のレギュラーツアーで活躍する姿が楽しみだ。
撮影／矢田部裕 取材大会／樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント
