世界各地のツアーを転戦し、日本ツアーでも活躍する中国出身の梁津萬(リャン・ウェンチョン)。世界のゴルフを見てきたリャンに、母国・中国のジュニアゴルファー育成事情について教えてもらった。

中国・上海で開催中のWGC(世界ゴルフ選手権シリーズ)HSBCチャンピオンズ。長年日本や海外ツアーで何度も会っているにも関わらず挨拶程度にとどまっていた梁津萬(リャン・ウェンチョン)と、夕食を共にする機会に恵まれた。

梁津萬(以下リャンさん)は食事をするにあたり、わざわざレストランを練習帰りに下見までしてくれていた。「そのレストランが混んでいるから」ということで、他のレストランをあたってくれていたと、あとでリャンさんのキャディ歴10年の真鍋耕治さんから聞いたが、リャンさんはそんな心使いをしてくれる優しい人なのだ。

そして向かったのは以前、谷原秀人も連れて行ったことがあるという中華料理店。新鮮な魚介類や肉、野菜などが市場のように並んでいる店内で、自分が食べたいものをその場で店員に伝え、調理したものを持ってきてくれるというシステムなのだが、「どんなものが食べたいですか?」とリャンさんが私の好みなども加味しながらオーダーしてくれた。

画像: 日本から取材に訪れた記者をもてなしてくれたリャンさん

日本から取材に訪れた記者をもてなしてくれたリャンさん

大事な客をもてなす時にオーダーするという大きな白身の魚も注文してくれ、卓上に食べ物が並ぶと、一つ一つ取り分けてくれた。こうして何から何まで親切にもてなしてくれ、とても美味しくいただいたが、コース以外のところで会ってみないと、実際その人のことはわからないものである。

画像: オーダーした料理を自ら取り分けるなど、「おもてなし」してくれた

オーダーした料理を自ら取り分けるなど、「おもてなし」してくれた

リャンさんはコースで会っても、いつもニコニコ挨拶してくれ、普段からそのお人柄の良さはにじみ出ているが、ここにきて初めて「あぁ、この人はこんなに親切で素敵な人だったのか」と改めて感じ入ったのだった。

そのリャンさんは2004年から日本ツアーに本格参戦し、アジアンツアーや欧州ツアーにも転戦しているワールドワイドな選手だ。最近ではツアーを転戦するだけでなく、ジュニア教育にも力を注いだり、ゴルフビジネスを展開し始めている。

一方、中国のゴルフ事情といえば、習近平国家主席はゴルフが嫌いといわれ、中国に683カ所あるというゴルフ場に検査が入り、100を超えるコースが経営禁止、それ以外のコースも多くに違法処分が下ったという話も出ているほど。

中国においてゴルフは歓迎されていないように思っていたが、リャンさんにその辺りも直撃してみた。

「中国でゴルフが歓迎されていないという話はないですよ。スポーツの強い国家を目指しているし、ゴルフもその中の一つです。ゴルフ場の建設が禁止されているという話もありますが、それは環境破壊に繋がりそうな、森や池、湖の近くにゴルフ場を作ることを禁止しているだけで、それ以外のところでは作ってもOKですよ」と教えてくれた。

実際、習近平国家主席がゴルフが好きか嫌いかは別として、2020年には東京オリンピックでゴルフ競技もあるため、中国のゴルフ協会もジュニア育成に力を入れているという。前回のリオオリンピックでは女子のフォン・シャンシャンが銅メダルを獲得したが、次回は銅メダル以上のメダリストを中国も輩出したいはずだ。そのためにもリャンさんも個人的にジュニア教育に力を注ぎ、メダル候補を育てているそうである。

「僕はチャリティでジュニアにゴルフを教えています。何日か無料で教えてあげたら、あとはそれぞれゴルフスクールでゴルフを学べるように手助けをしていますよ。僕は日本でもジュニアゴルファーの育成をしているシーンを何度も見てきたし、こういうことは中国でも必要だなと思っています」

中国の国家を挙げてのジュニア育成は、人口が多いだけに優秀な人材も多く発掘できる可能性がある。現在、ハオトン・リーが中国人選手の中では世界ランク50位入りしている唯一の選手だが、数年後には手強い若手中国人選手がメキメキと実力をつけて世界の大舞台で活躍する可能性は十分にある。

TEXT&PHOTO/Eiko Oizumi

キャロウェイ

This article is a sponsored article by
''.