ツアー投入以降、多くの契約プロを優勝に導いているスリクソンのZ585・Z785ドライバー。このドライバー2種のヘッド計測データを調べてみると、その特徴は大きく異なることがわかる。その理由は?

稲森佑貴はZ585ドライバーを実戦投入して2試合目の「日本オープン」で優勝、Z785ドライバーは「ISPSハンダマッチプレー」で頂点に立ったタンヤゴーン・クロンパや、「マンシングウェアレディース東海」で悲願の初優勝を遂げた香妻琴乃の勝利に一役買っているなど、今年男女ツアーで注目を集めたクラブにダンロップの「スリクソンZ85」シリーズがある。

このZ585とZ785、名前は似ているがその中身は“大違い”。それは「ヘッド計測データ」を見れば明らかだ(表1)。

画像: 表1。Z585・Z785ドライバーのヘッドを計測したデータ

表1。Z585・Z785ドライバーのヘッドを計測したデータ

中でも、より大きな違いとして挙げられるのは「重心距離ですね」と、プロゴルファーの中村修。

「重心距離とは、シャフトの軸線上から芯までの距離のことです。この数値で変化するのはヘッドの返りやすさ。重心距離が短ければヘッドが返りやすい=フェースコントロールがしやすい。長ければヘッドが返りにくい=直進性が高い、といった具合です。つまりZ585はフェースが緩やかに返りながら打つドライバー、Z785はフェースを積極的に返していくドライバーということがヘッドデータからわかります」(中村)

画像: 重心距離とは、シャフトの軸線から芯までの距離のこと

重心距離とは、シャフトの軸線から芯までの距離のこと

もう一つ中村が注目したのは「重心深度」だ。重心深度とは芯からヘッドの重心までの距離のことを指すが、これで何が変わるのだろうか。

画像: 重心深度とは、芯からヘッドの重心までの距離のこと

重心深度とは、芯からヘッドの重心までの距離のこと

「重心深度が浅ければ強くてスピン量の少ない球になり、深ければスイートエリアが大きくなって寛容性が高くなります。Z585が37.2ミリ、Z785が35.9ミリと、Z785の方がやや浅めの位置に重心があるので、球の強さではZ785に軍配が上がりそうです。ただその分ロフトやヘッドスピードが必要になってくるでしょう」(中村)

最近のドライバーでいえば、本間ゴルフのTW747 460とTW747 455、タイトリストのTS2とTS3のように、同じプロモデルドライバーでも、「ヘッドの投影面積が大きい、直進性の高いモデル(TW747 460、TS2、Z585)」と、「ヘッドの見た目がシャープで、操作性の高いモデル(TW747 455、TS3、Z785)」の2本をラインアップするケースが増えている。その理由を、中村はこう分析する。

「プロや上級者だから操作性の高い重心距離が短いモデル、ということではなくドライバーにどんな特性を求めるのかで違って来ると思います。米ツアーの飛ばし屋トニー・フィナウやキャメロン・チャンプはピンのG400MAXという460㏄のヘッドで重心距離も長くアマチュアでもやさしさを感じられるモデルを選んでいます。これは針の穴を通すような繊細なヘッドを求めるのではなく、飛距離と直進性が高いモデルを選んでいるということ。もちろん両方を兼ね備えたモデルがベストなのですが、操作性と直進性の2種類のヘッドを開発することでどちらの要望にも応えるというメーカーの意図が感じられます」(中村)

フィナウやチャンプが使うピンの「G400」に関していえば、スタンダードな「G400」、スピンの少ない「G400LST」、つかまりのいい「G400SFT」、460CCの「G400MAX」と4モデルある。どれも外見は非常に似ているが、重心設計はそれぞれ異なる。

こういった、名前も外見も良く似たクラブの増加は、ゴルファーにとって選択肢が増えてありがたい一方で、たとえば同じG400でもLSTとSFTでは性格が(全体的には似ているにも関わらず)真逆になるため、購入の際には慎重を期す必要がある。

同シリーズのドライバーでも、モデルによって内部重心設計は大きく異なる。まずはそのことを把握し、店頭で試打するのがベストな1本を手にいれる近道なのだ。

画像: 使ったプロが続々優勝中!スリクソンのドライバーZ585・Z785ドライバーのヘッドデータを徹底解析! youtu.be

使ったプロが続々優勝中!スリクソンのドライバーZ585・Z785ドライバーのヘッドデータを徹底解析!

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