シュライナーズホスピタルforチルドレンオープンでPGA(米男子)ツアーの2018-2019シーズン初優勝を挙げたブライソン・デシャンボーが、2019年のルール変更後はピンを差したままパットする可能性が高いと語り、話題になっている。ピンを差したままだとパットはどう変わるのか? さっそく試したというゴルフライターに話を聞いた。

きっかけは、“ゴルフの科学者”ブライソン・デシャンボーが、2019年の新ルール施行後は、ピンの材質次第ではあるものの、基本的には差したままパッティングを行うことになりそうだと発言したこと。

ピンを差したままのパットを認めるのは、アマチュアのプレー時間短縮を目的としたルール改正。それがどうやら世界のトップ選手のグリーン上でのパフォーマンスに影響を与えそうだというんだから面白い。

画像: 2019年1月1日の新ルール施行後は旗竿を立てたままパッティングする可能性があると語った“ゴルフの科学者”デシャンボー(写真は2016年の全米オープン、撮影/姉崎正)

2019年1月1日の新ルール施行後は旗竿を立てたままパッティングする可能性があると語った“ゴルフの科学者”デシャンボー(写真は2016年の全米オープン、撮影/姉崎正)

さて、そこで気になるのが、我々アマチュアに、この「ピン差したままパット」がどう影響するかだ。そこで、早速「ピン差したままゴルフ」をテストしてきたというハンディキャップ3.1のゴルフライター・児山和弘に感想を聞いてみると「一言でいって、ピンを抜いてパットする場合より、差した状態のほうが圧倒的に入ると思います」という答えがかえってきた。

「プロの試合だと、ウェッジで打ったボールがピンに当たって弾かれるというシーンを観ますが、パターで打った場合はそれがありません。まるでバスケットボールのゴールのように“当てて落とす”ことができる。その結果、短いパットでしっかりとピンを狙って強いタッチで打つことができるし、強いタッチで打てるから曲がりを気にする必要もなく、多少曲がるラインでもカップを外さずに狙えます」(児山)

強めのタッチでカップの内側を狙って打てる。そのことがショートパットに大きな変化を起こすだろうと分析。また、児山によれば、ショートパットでは強めのタッチで打てる反面、ピンという目標物があることで、ミドルからロングパットのレンジでは距離感を合わせやすくもなるという。

「ロングパットでキャディさんや同伴競技者が旗竿を持って立っていてくれると距離感が合わせやすいものですが、つねにあの状態でパットできる感じです。目標物があることでより距離感が出しやすくなるのでしょうね」(児山)

画像: ピンを差したままにすることで、様々なメリットがゴルファーにはありそう(撮影/野村知也)

ピンを差したままにすることで、様々なメリットがゴルファーにはありそう(撮影/野村知也)

というわけで、ブライソン・デシャンボーのみならず我ら一般アマチュアにも恩恵が大きいというから、2019年1月1日の新ルール施行日が楽しみになってくる。ただ、プロゴルファー・中村修は、「試してみないとわかりませんが」と前置きしつつも、「自分は従来通りに旗竿を抜いてプレーすると思う」と言う。

「ピンが立っていると、どうしてもピンに打ってしまうと思うんです。自分はラインをしっかりと作ってプレーしたいタイプ。なので、基本的には新ルールになってもピンは抜くと思います。上りのどうしても入れたいショートパットなど、明らかに有利となる場合はもしかしたら立てたままにすることもあるかもしれませんが……」(中村)

本人が抜くか抜かないかとは別に、中村はピンがあることで“影”の影響も出ると予想する。たとえば、上りの真っすぐのラインで、そのラインと重なるようにピンの影が落ちていたら……きっとものすごく狙いやすいであろうことは想像に難くない。

「俺はピンがあったほうがいい、俺はないほうがいいとか、本来プレーファストに貢献するべきルールであるはずが、かえって煩雑になる可能性もゼロではない」(中村)という新ルール。プロの動向も含めて、注目だ。

This article is a sponsored article by
''.