マネジメントの発明者と言われるピーター・ドラッカーの考え方をベースにした独自の「ゴルフ・マネジメント学習法」を考案、ベストスコア110がわずか半年で80切りに至るまでに上達したドラッカー研究者の飯田利男。飯田は、事前に設定した目標のみに集中して練習することが上達への近道だという。自身の著書「ゴルフで覚えるドラッカー」から、「観察・分析」についてご紹介。

目標を自分に言い聞かせる

練習中は、事前に設定した目標に集中することが肝心です。たとえば、今日の目標が「ボールの打ち出しが真っすぐになるようにする」であれば、焦点を当てるべきは「ボールの打ち出し」だけ。たとえスライスが出たとしても、気にすることなく「今日の目標」に集中しましょう。

画像: 打ち出し方向なら打ち出し方向だけを気にする。目標にフォーカスした練習を行うためには“言い聞かせワード”が有効だ

打ち出し方向なら打ち出し方向だけを気にする。目標にフォーカスした練習を行うためには“言い聞かせワード”が有効だ

せっかくの目標を、練習中に忘れていては意味がありません。忘れないようにするための良い方法があります。アドレスする前に「言い聞かせワード」を自分に語りかけるようにすれば良いのです。それを習慣化できると、その言葉が自動的に体の中に浸透して、良い方へとコントロールしてくれるようになります。

ここで注意点があります。1つ目は、「言い聞かせ」は必ずアドレス前に行うことです。アドレスしてから「言い聞かせ」を行うと、テークバックの始動に時間がかかり、力みの原因になるからです。

もう一つは、アドレスの前だけでなく、ショットの後にも「言い聞かせワード」を思い出してください。ショットの感触と「言い聞かせワード」をあらためて照合してみるのです。

これを繰り返していくと、本当に効き目がある「言い聞かせワード」、つまりソクラテスが説いた「大工の言葉(注1)」を見出すことができます。「大工の言葉」が見つかって、それを言い聞かせてからスウィングすれば、驚くようなショットが出るようになるはずです。

ショットのたびに独り言なんて、バカみたいだ、気味が悪いなどと思う方もいるかもしれません。この暗唱は大きな声を出してするということではなく、つぶやき程度で大丈夫です。自分が今日のテーマに集中できればいいのです。

注1:ソクラテス曰く「大工と話すときは大工の言葉を使え」。コミュニケーションを図るには、受け手に理解できる言葉を使う必要があるということ。それが自分への問いかけでも、効果的な言葉を選択する必要がある

練習の成果・発見をメモする

練習中は1打1打が学習のチャンスです。ナイスショットはもちろん、ミスショットにも上達のヒントが隠れています。

それをムダにしないために、プレーの「成果・発見」を記録する習慣をつけましょう。重要な「成果・発見」を忘れないうちに、フィードバックシートに記入することが肝心です。

画像: 練習で得た成果を忘れずに記録することで、その時の自分の感覚をより明確に思い出すことが出来る

練習で得た成果を忘れずに記録することで、その時の自分の感覚をより明確に思い出すことが出来る

書き方は、キーワードでも、コメントでも、自分がわかりやすいものであればOKです。肝心なことは、その時の情景が目に浮かぶような言葉を書きとめておくことです。

「ゴルフで覚えるドラッカー」(ゴルフダイジェスト社)より *一部改変

撮影/加藤晶

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