強化したいのはアプローチとパター。そして……
QTランキング18位、リランキング8位で今期のレギュラーツアー出場権を獲得した松田鈴英。後半に向けてコンスタントに成績を残し続け、11月14日現在の賞金ランキングは15位につけている。松田と言えば2017年のプロテストで最終日に5アンダーと爆発し、通算11アンダーでトップ通過を決めた底力の持ち主。
まだ20歳ということもあり、これからの活躍が期待される選手のひとりだが、ひと足先に来期に向けての目標を聞いてみた。
「目標ですか? そうですね、来年は優勝を目指すのと、賞金シードをもう一度しっかりと確保して、TOTOとリコーに出場できるようにしたいです」(松田)
と話した松田。TOTOジャパンクラシックの出場資格は「富士通レディース終了時点で賞金ランキング35位以内」、また女子ツアーの最終戦でもあるLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは「当該年度のLPGAツアー優勝者」「大会開催前週までの当該年度LPGA賞金ランキング上位25位までの者」とされている。
今週のエリエールレディスオープンの最終成績で出場資格が決まるが、今期松田はどちらの出場資格も満たしている。(リコーカップについては11月14日現在賞金ランキング15位で暫定的)
その上で来年も「今年のように」安定した戦いを目標とするということだろう。また、今期何度かあった優勝争いを来年こそモノにしたいという気持ちもあるようだ。そんな松田が強化した部分はどこなのか。
「強化したいところは、アプローチとパターです。パターは去年よりはよくなったと思いますがまだまだ。あと、アプローチのバリエーションが少なく、難しいところにいっても寄らないことが多いのでしっかり(バリエーションを)増やしていきたい」(松田)
と話す。ちなみに松田のパーオン率は72.8333%。シン・ジエ、比嘉真美子、イ・ミニョンに続く全体の4位とかなり上位。それだけに、パーオンを逃したときに課題を見出しているようだ。もうひとつ、ちょっと変わった(?)目標も聞かせてくれた。
「この1年戦ってきて、後半戦で体が結構痩せてしまったりしたので、体力アップと、あとやっぱり痩せないようにしっかり食べてトレーニングをしたいです。このオフは技術的なこと以外もしなきゃいけないかなと思っています」(松田)
とのこと。たしかにスレンダーなイメージのある松田だが、戦っているだけでどんどん痩せてしまうと話す。プロゴルファーのハードな運動量を考えれば当たり前のことかもしれないが、食べることも仕事のひとつだというのを痛感したようだ。オフの話になると技術面の話をする選手が多い中、1年間戦い抜くための体づくりについて話した松田からは底知れぬ覚悟が伝わった。
今期の残り2試合も、上位に食い込んでランキングをどこまで伸ばせるか。もちろん、初優勝のチャンスも残されている。
撮影/矢田部裕 取材大会/伊藤園レディス