プロの練習グリーンはまるで「バザー会場」
今回取材したのは、伊藤園レディスゴルフトーナメント。金曜日に初日を迎える3日間競技で木曜日はスポンサーや関係者を招いてのプロアマ競技、ということで水曜日の練習日に潜入した。
まずは練習場に足を運ぶ、選手、キャディ、そしてスウィングコーチや、選手のクラブをサポートする各メーカーの担当者、ツアーレップと呼ばれる人たちが、ボールを打つ選手を見守っている。中でもやはり、ギア好きライターとしてはツアーレップの動きが気になるところだ。
ツアーレップが自社の商品を展開するアプローチ練習場や練習グリーンは、さながらバザーの会場のようだ。様々なパターメーカーのキャディバッグが置かれ、各ツアーレップは魅力的な新製品を並べて選手が興味を示すのを手ぐすね引いて待っている。
パターに悩んでいても、悩んでいなくても、新しいパターをチェックするプロ、まったく関心を示さないプロ、その様子を見ているだけでも面白い。また、大手メーカーのツアーレップだけでなく、地クラブメーカーもツアーレップを派遣している。
たとえばウェッジ作りが得意な栃木の地クラブメーカー「モダート」は、アン・ソンジュがシーズン当初からウェッジを使用し、注目されている。そのため、同社のツアーレップである澤田健一氏(プロゴルファーで、ドラコン競技にも出場している人物)のもとには、ウェッジを試してみたいという他のプロの要望が舞い込むようで、よりプロ好みのソールのウェッジを作成するために、プロが使うウェッジのソールを撮影している姿が印象的だった。
他にもツアー会場には、ウェア、シューズ、サングラス、ティ、ボールマーカーなど、いろいろなツアーレップがいて、プロをサポートしている。
試合とともに全国津々浦々のツアー会場を飛び回るツアーレップ。ツアープロの手に見慣れないクラブが握られていたら、その背景には澤田氏のようなツアーレップの“営業努力”がある……かもしれない。