パッティングはスコアの40%を占める。しかし、日によって入ったり、入らなかったりするアマチュアゴルファーは多い。2005年にレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞したプロゴルファー・増田哲仁は「足踏みの動きだけでパターを動かして欲しい」と話す。自身の著書「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」からパッティング術を教えてもらおう。

パターもやっぱり体まかせに振るのだ

ーー日によって入ったり入らなかったり。20パット台の日があったかと思えば、40パットのときもある.........。我々アマチュアのパットが安定しないのは、どうしてなのでしょうか。

パッティングのレッスンではよく、「土台の下半身をガッチリ固めろ」といわれます。でも、それだとスムーズにストロークすることはできないんです。

ーーやはり、そうきましたか。バッティングも体でヘッドを動かさず、手で動かすから不安定になる。

誰かに背後から押されたときにビクともしないような構えではなく、ちょっとのきっかけでいつでも動き出せる体勢を作ることがパッティングのアドレスです。

ーーでも、気持ち的には、土台の下半身をがっちり固定しないと、インパクトが定まらないような気がするのですが。

それはまったく違います。下半身をがっちり固めるということは、単純な話、腕、手の力だけで打つということです。手というのは人間の体の中でもっとも器用に動かすことのできる部分です。しかし、器用であるがゆえに、ほんのちょっとしたことでも動きにズレが出やすいというデメリットもあるんです。

いつも同じようにストロークしているつもりなのに、パッティングの調子が日によってガラリと変わってしまうというゴルファーは、手先に頼ったストロ ークになっている可能性が高いですね。こういう人は再現性が低いんです。

画像: パターは足で動かしてほしいと話す増田プロ

パターは足で動かしてほしいと話す増田プロ

もちろん、まったく手の動きを使わないわけではないのですが、意識としてはパターはただ手に持っているだけです。私は、パターは手ではなく、足で動かして欲しいと思 っています。

ーー足でどうやってパターを動かすんでしょうか。

足踏みをするときのような前後の体重移動でパターを動かすということです。試しに、 直立した状態で、両足かかとをわずかに浮かせてみてください。そして、右のかかとを下ろしながら左のかかとを上げます。すると、体重は右のつま先からかかとへ、左足は、かかとからつま先へと移動するはずです。

そのとき、足の踏み込みに合わせて、肩も少し時計回りに回転しますよね。これがテークバック~トップです。次に左かかとを下ろしながら、右かかとを上げます。すると、体重は移動し、肩のラインは反時計回りに回転します。これがダウン~フォローの動きになります。この足踏みの動きだけでパターを動かして欲しいのです。

アドレスしたら手は体の中心でパターを持つだけ。後は足踏みすれば手を使わずストロークできるようになります。手は体の中心でクラブを持つだけですから、上体にはカが入らず、手打ちにもならないわけですから、ストロークは抜群に安定するはずです。

ーー実際にバッティングするときにも足踏みをするんですか。そんな動きでパッティングしているゴルファーは、世界中で増田プロ一門のほかにいないでしょう(笑)。

最終的には、足が動かないように見えるストロークが目標なのですが、最初はオーバーにヒールアップし、前後の体重移動によって、上体が回転する感覚をつかんで欲しいのです。そして、その感覚がつかめたら徐々に足の動きを小さくしていき、コースでは靴の中のほんのわずかな、目には見えない程度の体重移動でストロークするのです。最初に大げさに動いて正しい体の反応を知れば、見た目の動き自体は徐々に小さくなっていくものです。心配しないでください(笑)。

「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/増田保雄

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