季節は秋から冬へと変わりつつあるが、この時期になるとゴルファーを苦しめ、そして同時に楽しませるのがゴルフ場の高速グリーン。しかし、そもそもなんでこの季節のグリーンは速いのか。そして、それをどう攻略すればいいのだろうか?

傾斜2.5%でボールが止まらない!?

日本のゴルフ場のグリーンに多く採用されているベント芝は基本的には寒さに強く暑さに弱い寒冷地型の芝。グリーンにとって厳しい夏が過ぎ、日増しに気温が下がる今の季節は多くのグリーンで「年間最速」が出せる時期になる。芝自体の元気がいいから、他の季節に比べて短く刈っても大丈夫だというのがその理由。いわばこの季節はベントグリーンの最盛期だ。

画像: 10~12月は芝を短く刈れるため、グリーンスピードが速い

10~12月は芝を短く刈れるため、グリーンスピードが速い

たとえば開催中の男子ツアー「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の舞台である東京よみうりCCのグリーンは、最終日終了後数日間はグリーンを刈らないという。トーナメントに合わせて最高の仕上がり(=スピード)になっており、一般営業はちょっと難しいレベルだいうから驚く。

傾斜が2.5%あれば、もうボールが止まらないほどの仕上がりを見せているというから、プロたちが難グリーンをどう攻略するかが見ものだ。

さて、プロの試合のレベルとは言わないまでも、この時期にプレーしていたら「今日のグリーン、速いな!」という日に出くわすことも多いだろうし、ゴルフ場側でも高速グリーンキャンペーンを実施している場合もある。

我々アマチュアは高速グリーンにどう対処すればいいのか、プロゴルファー・中村修に聞いた。

「まずは、練習グリーンで必ず下りのラインでタッチを合わせる練習をしてください。高速グリーンは下りでその真価を発揮しますから、ぶっつけ本番で大オーバーなどしようものなら、その日一日タッチが合わずに終わってしまいます。まずは、下りのラインを練習して“速さ”を感じておくことが非常に重要です」

下りの速さをつかんだら、いつもの半分のタッチで打つ、もっと速ければ1/3のタッチで打つなどという風に、感覚の中で物差しを作っておくと、コースに出たときにパニックに陥らないという。

また、中村いわく、高速グリーンで真に気をつけるべきは下りではなく「横」だ。

「グリーンが速いのは、いわばグリーンの傾斜がキツくなるのとボールに与える影響が大きくなるという意味では同じことです。だからこそ、横のラインはタッチとラインの読み、両方がよりシビアになるんです。できる限り避ける努力をしたいですね」(中村)

高速グリーンの横につけた場合、もはや特効薬はない。高速グリーンの場合はとにかく横につけないように、常にショート目に狙うことが大切だ。その上で、ストロークの上ではとにかくパンチを入れるのだけは気をつける。

「ストローク的には、バックスウィングを半分にする、ゆっくり上げる、思い切り短く握るなどが、パンチを入れないようにするには効果的です」(中村)

高速グリーンはタッチが合うと最高に楽しいもの。ぜひ、攻略しよう!

撮影/姉崎正

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