お酒を飲みすぎたあまり……!
お酒の失敗は誰にでもあるが、それはプロゴルファーでも例外ではないようだ。
「2011年ころ、日本で初めて賞金シードをとって心の余裕があったので、アジアンツアーに挑戦しました。その時に大先輩の平塚哲二さんが食事に誘ってくださって、僕もアジアンツアーへの挑戦はまだまだでしたし、気に入られなきゃと思ってたくさん飲んでしまって、月曜の夜遅くまで……」(片岡)
こうなったらこの後の流れはひとつ。
「次の日の練習ラウンドに出られませんでした」(片岡)
その後同じような失敗はないと話した片岡。お酒の失敗は恐ろしい。
続いて話したのがアン・シネ。アン・シネにとっては日本が海外ツアーであるが、そんな日本でのエピソードを話した。
「練習するために、ひとりでドライビングレンジに練習に行ったんですが、帰りにタクシーを呼んでもらったはずがタクシーが来なかったんです。困っていたら、親切なおじさんが『ホテルまで乗せてってあげるよ!』と言ってくれたのでお言葉に甘えたんですが、『ここのレストランは美味しいよ!』『この観光地がオススメだよ!』といろいろなところを回ってくれて、車で5分ほどのホテルだったのですが、40分ほどかかってしまいました」(シネ)
これを聞いた宮本勝昌の「日本そんなに治安良くないよ!」との突っ込みにはアン・シネも笑顔を見せた。
続いて、海外ツアーの経験が長かった宮里藍。文化の違いについて話した。
「アメリカに行って最初の2年は、名前を覚えるのが大変でしたね。キャディさんに『ヘイ! ジョン』と言ったらデイブでした。アメリカの人は名前をすぐ覚えるんです。プロアマで少ししか会話していなくても、1年後にまた声をかけてくれたり。もう最終的には、トム、ジョン、マーク、デイブ……と名前を言っていけばどれかひとつ当たるし、って感じで(笑)」(宮里藍)
どうやらアメリカの人たちは一瞬で名前と顔を覚えるようで、その文化の違いに最初は戸惑ったそうだ。
最後は宮里優作。今話題の人物に絡めたエピソードを紹介した。
「ヨーロピアンツアーはとにかくロストバゲージ(荷物紛失)が多かったですね。あればOKみたいな。そんな中、ロスに行ったときなんですが、やっぱりスーツケースがないんですよ。JAL契約なのにな、なんて思いながら待ってたら、似ているケースがひとつポツンとあったんです。名前を見てみたら、『リタ……?』って読めなくてカウンターに行ったら『リタ・ゴーン様です』と。日産の元会長カルロス・ゴーンさんの奥様だったんですよね。お詫びに車1台くらいもらえるかと思ったけどもらえませんでした」(宮里優作)
このエピソードのおかげで、ニュースにならなくてもゴーン会長の奥様の名前は憶えていたと宮里優作。それぞれ、海外ツアーでの失敗談、というよりも面白話のようになっていた。
普段試合会場では見られないリラックスした選手たちのトークに、来場した130名のゴルファーたちも大満足。毎年参加しているという参加者も多く、オフの間の楽しみのひとつとして確立されているようだ。来年は一体どんな面白エピソードが登場するのだろうか。
撮影/増田保雄