毎回ベストスコアを出す 前日・当日練習
ーーコンぺ前日になると一夜漬けで練習場に駆け込むというのが、我々アマチュアの典型的なパターンですが、前日になにをどう練習すれば、当日のスコアがよくなるのでしょう。
コンペが明日に迫っているのに、あれもこれも、いろんなことをやろうとしても無理。 しかも大半のゴルファーがドライバーばかりブンブン振り回していることと思います。1ラウンドのうちに数えるほどしか使わないドライバーをいくら振っても、かえってスウィングを壊すだけです。
まして、たった1度の練習で悪いクセが直ったり、技術が身につくはずもありません。ですから、コンぺ前日の練習では、ただやみくもにボールを打つのではなく、スウィングの調子を揃えることに専念して欲しいですね。
ーー具体的には?
ドライバーからSW、極端にいうならパターまで、すべて同じリズム、同じ調子で振れるようにするんです。たとえば、ドライバーでもSWでも始動からフィニッシュまでにかかる時間を同じにする。要は14本のクラブすべてを「一本調子」にすることに練習時間を費やしてもらいたいんです。
プロのトーナメントでも上位に入ってくる選手は、ドライバーから1メートルのパッティングまでリズムがすべて一緒、というぐらい調子が揃っているものなんです。それがいわゆる「調子がいい」ということなんです。もちろん、プロであってもストップウォッチなどで実際に測れば、正確に同じ時間になりはしないでしょう。ただ振っている本人の意識では、SWもドライバーもまったく同じ調子なんです。
ーー調子が悪くなると、どうなるんですか。
調子が悪いというのは、クラブごとにリズム(調子)が揃っていないということです。そうなるとインパクトのポイントがショット毎にバラバラになり、芯に当たる確率も悪くなってしまいます。
ーーどんな練習をすれば、1本調子になれるのでしょう。
これはあくまでも私の場合ですが、練習場にはSW1本だけを持っていって、ただひたすらそれだけを打ちます。SWというのは日本のなかでもっとも重量があるクラブです。クラブが重ければ重いほど、小手先の力だけでは振れませんから、自然と体全体を使ったスウィングになりやすいんです。
また、パターを除けば長さもいちばん短いクラブなので、ボールと体との距離も短くなります。体とボールとの距離が近ければ、腕を体の近くにキープしたまま振りやすいので、これも手打ちを防ぐのに効果があります。
重くて短いSWで気持ちよく振ったときの調子(=リズム)を前日の練習で徹底的に体の反応でつかみ、本番ではすべてのクラブをその調子で打つように心がけるんです。
「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」(ゴルフダイジェスト新書)より
撮影/渡部義一