「朝イチのティショット当たるか不安……」とスタート前に練習場でドライバー振り回しているゴルファーを見かけるが、2005年にレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞したプロゴルファー・増田哲仁は、スタート前の練習場に持っていくのはサンドウェッジ1本だけだという。自身の著書「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」からスタート前の練習法について紹介。

スタート前はSWだけがベスト

ーー前日練習で「調子」を揃えることはわかりました。当日のスタート前はどんな意識で、 どんな練習をするのがいいのでしょうか。

当日は、「体をほぐすことが目的のウォーミングアップ」くらいの練習が適当でしょう。練習場に持っていくのはサンドウェッジ(SW)1本だけ。まずは体をほぐす目的で20~30ヤードを軽く打ち、そこから徐々に40ヤード、50ヤードと振り幅を伸ばしていきます。それで20~30球打ったら、もういいでしょう。

画像: スタート前の練習はSWで体をほぐしてウォーミングアップするのが「先発完投型」のゴルフにいい

スタート前の練習はSWで体をほぐしてウォーミングアップするのが「先発完投型」のゴルフにいい

ーーえっ、SW1本で20球で終わりですか。他のクラブは打たなくていいのですか。

SWというのは14本の中でもっとも短く重いクラブなので、手でボールに当てにいく動きになりにくく、スウィングのイメージやバランスを作りやすいという利点があるんです。スタート前の練習では体をほぐすことに加えて、スウィングの調子を思い出すことも目的になります。それには短くて重いSWが一石二鳥、もっとも適したクラブになります。

ーードライバーや6、7番は本当に打たなくていいんでしょうか。

それは調子の良し悪しを見極めたいとか、ナイスショットしておかないと不安という気持ちがあるからです。まずその意識から払拭しなければいけません。もし、どうしてもSW以外も打っておかないと不安だというのであれば、6、7番アイアンを打てばいいでしょう。

いずれにせよ、フルショットは必要ありません。ましてやドラ イバーを振り回すのはお勧めできません。ドライバーはスタート前に練習するクラブとしてはもっとも適さないクラブなんです。

ーーどうしてでしょうか。ドライバーをあらかじめ練習しておかないと、朝イチなど不安になると思うのですが......。

ドライバーはSWとまったく逆で、14本の中で最も長くて軽いクラブです。軽いから手打ちの動きになりやすいというのがまずひとつ。その上、どうしても飛距離やナイスショットの快感を求めてしまうというのも問題です。

それではスウィングリズムを思い出すどころか、かえってリズムを崩してしまいます。それでも打たないと、朝イチで当たるかどうか不安だというのであれば、絶対にフルショットしないことです。SWで軽く40~50ヤード打つのと同じように、ポーンと軽く打つだけに留めてください。

これから4~5時間かけて18ホールの長丁場をプレーしなくてはいけないのに、スタート前からしゃかりきにドライバーを振っていたら、体力も気力も最後まで持つわけがありません。フルショット練習は、野球でいうなら9回の1イニングだけを抑えればいいリリーフ投手のウォーミングアップと同じです。

18ホールを回るゴルフでは先発完投型の投手をイメージしなければいけません。スタート前の練習はあくまで18ホールを一定の調子で回るためのウォーミングアップと考えてください。その上で、スウィングの調子やバランスを作り上げたほうが、スコアはよくなるはずです。

画像: 正しいアドレスができているかチェックしよう

正しいアドレスができているかチェックしよう

ーースウィングの「調子を出す」以外に、しておくべき練習はありますか。

正しいアドレスができているかどうかのチェックもしておいたほうがいいでしょうね。まず、クラブを持ってアドレスしてみてください。その姿勢のまま、体を左右に大きく揺らしてみたり、その場でジャンプしてみる。こうすることで、きちんと中心がとれているかを確認することができます。

たとえば、体を左右に揺らしてみて、右には楽にいけるのに、左にいこうとすると体に負荷を感じたり、動きにくいという場合は、アドレスで右に体重が乗り過ぎたり、体が右に傾いている証拠です。左右どちらにも同じだけの運動量でいけるようになれば、中心がとれたバランスのいいアドレスができているということになります。その場でジャンプするというのも同じことです。もし、左右どちらかにウェートが偏っていれば、真上にジャンプすることはできません。

常に体の中心を感知し、バランスよく「立つ」ことが安定したプレーにつながります。ベストスコアを出すためには、バランスの崩れを早く探し出し、中心をとり戻した状態でスタートすることが肝心なのです。

「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/有原裕晶

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