2018年もまもなく終わり。世界のゴルフ界も大いに盛り上がった一年だった。ツアー通算9勝の佐藤信人が、解説を担当した海外の試合で強く心に残っているシーンを語る。

今年の一打!? ダスティン・ジョンソンの433ヤードショット

2018年自分自身が解説を担当した海外の試合の中で今でも強く心に残っているシーンを振り返ります。

ダスティン・ジョンソンは2018年は3勝を挙げました。その3勝とも解説を担当したのでどれもよく覚えていますが、その中でも年初めにマウイ島で行われたセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズは圧巻でした。2打差のトップで最終日を出て行ったD・ジョンソンは前半から快調に飛ばして、ハーフターンするときにはすでに2位に6打差をつけていました。

画像: 2018年3勝を挙げたダスティン・ジョンソン(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

2018年3勝を挙げたダスティン・ジョンソン(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

この大会の2ヶ月ほど前に上海で行われた世界選手権で最終日に大崩れをしてローズに8打差逆転を許したことがありました。それもあって11番ホールをボギーにしたときは「大量リードではあるが上海のときのようなこともあるので未だわからない」というようなことをコメントした記憶があります。

そしてボギー直後の12番433ヤードのパー4。前日第3ラウンドに72ヤードのセカンドショットを放り込んでイーグルを取っているゲンの良いホール。完璧な方向に打ち出た球は前日のセカンドを打った70ヤード地点辺りに着弾すると、下り傾斜のフェアウェイをコロコロと転がってグリーンへと乗っていき、そしてカップの10センチ手前で止まりました。連日のイーグルの後は楽々と逃げ切り8打差の圧勝となりました。

カパルアではこれまでザック・ジョンソンやスティーブ・ストリッカーなどショートゲームの達人が勝利することも多い試合でしたが、2018年大会はジョンソンが圧倒的なパワーでねじ伏せたという印象の大会になりました。

ゲーリー・ウッドランド5年ぶりの優勝の裏にあったドラマ

2月のフェニックスオープン。松山英樹選手の3連覇がかかった試合でもありましたが、ゲーリー・ウッドランドが5年ぶりの優勝を果たしました。印象的だったのはウィニングパットを決めた直後にガッツポーズではなく、空に向かって軽く指をさし何か合図を送ったことでした。

2017年6月にウッドランドは男女の双子を授かる予定でしたが、お腹の中でひとり女の子の方がなくなってしまうという悲しい出来事がありました。それが発覚した後はしばらく精神的ショックからスランプに陥りましたが、一時は命の危険に晒されたもうひとりの男の子がその後無事誕生し、徐々に調子も戻ってきて、ようやく5年ぶりの3勝目を手にしました。

画像: ゲーリー・ウッドランドの5年ぶりの優勝の背景には、知られざるドラマがあった(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ゲーリー・ウッドランドの5年ぶりの優勝の背景には、知られざるドラマがあった(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ウッドランドが「奇跡」と呼んだ赤ちゃんを大事そうに抱っこしながら涙を目に浮かべてインタビューに応じた姿をとてもよく覚えています。

タイガー・ウッズの全英オープンでのミラクルショット

2018年奇跡の復活を遂げたタイガー・ウッズは今年だけでもいくつもの名シーンを演出しましたが、その中でも私の記憶に1番残っている1打が全英オープンの最終日10番ホールのセカンドショットです。

画像: 全英オープンで優勝にあと一歩に迫ったタイガー・ウッズ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

全英オープンで優勝にあと一歩に迫ったタイガー・ウッズ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

強風のタフなコンディションの中順調に2つスコアを伸ばしたタイガーはハーフターンで単独首位に躍り出ました。サンデーバックナインが始まった10番でティショットをフェアウェイバンカーに入れてしまいます。残り151ヤードでバンカーのアゴにかなり近い状況。

ここは無理せずに出して100ヤードくらいからパーを狙うんだろうと思っていたら、ピッチングウェッジでボールだけを高くかち上げてアゴをクリアしただけでなく6メートルのバーディーチャンスにつけました。バーディパットは入りませんでしたが、このときの躍動感ある強振ぶりと振り戻し(リコイル)はまさにタイガーの全盛期を思わせるような動きでした。

このスーパーショットの後は誰もがタイガーの10年ぶりのメジャー優勝を信じて疑わなかったと思いますが、逆にエネルギーを吸い取られてしまったかのように直後の2ホールでスコアを3つ落とし優勝争いから脱落していきました。

もう間もなく1年前ダスティン・ジョンソンが他を圧倒したハワイから2019年が始まります。2019年はどんな名シーン名勝負が生まれるか、今から楽しみです。

HONMA

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