投影面積は大きいが、フェースがよくターンして飛ばせる「モデルE」
ミズノプロドライバーはモデルEとモデルSの2種がラインナップされている。まずはモデルEから見ていこう。ヘッドサイズは450ccで投影面積が大きく、見た目から安心感がある。今回の2モデルでいうと“やさしめ”という立ち位置のドライバーだが、実際に試打した中村曰く「やさしいんだけど、ビギナーだけでなく上級者が使っても満足度の高いクラブ」になっているという。
やさしさの秘密は、フェース面がヒール側に寄っている=重心距離が短くなっている点。重心距離とは、シャフトの軸線上からクラブの芯までの距離のこと。この距離が短いほどフェースは返りやすい。
つまりフェースがヒール寄りにあることで操作せずとも勝手にフェースが開閉し、スクェアにインパクトしてくれるというわけだ。その効果は「軽く素振りしただけでも、自然とフェースをターンしてくれている感触があります」と中村は言う。
中村の試打結果を見てみると、ヘッドスピード42.3m/sに対しボール初速は62.9m/sで、総飛距離は258ヤードと飛距離性能も申し分ない。やさしい上に飛ぶクラブというわけだ。
「オートマチックにフェースがターンしてくれます。初速が出て直進性も高く、ちゃんとボールを捉えてくれる感じがします。音もいいですね。シャキーンっていうシャープな打音です」(中村)
堀口も一振りし、直進性の高い球で292ヤード飛ばす。堀口が特に驚いたのはその打感。
「何といっても打感が気持ちいいですね。吸い付いたままずっと押し込んでくれている感じがします。そのくらい柔らかい。打感にこだわるミズノの姿勢を感じますね」(堀口)
打ち出し角・スピン・初速・打感を兼ね備えた「モデルS」
一方のモデルSは、435ccとさらにシャープなヘッドサイズ。モデルEと比べてフェース面がかなりディープであること。さっそく堀口が打つと、乾いた打音を響かせて281ヤード飛ばす。
「すごいシャープな印象です。アドレスした時の見た目からも感じましたが、実際に振っていっても全然左が怖くないですね」(堀口)
「それだけフェースが厚い、ディープフェースっていうことですよね。モデルEと比べても厚いです。ハードヒッターは左に行くのを嫌がるので、こういう顔つきだと怖がらずに振っていけますね」(中村)
続いて中村もモデルSを試打、262ヤード飛ばす。
「打ち出し角・スピン量・初速のバランスが取れつつ、この打感の良さはすごい。これだけディープだとやっぱり安心感がありますね。特にティを高くする人でも、しっかり芯に当たりそうです。モデルEはオートマチックにフェースをターンさせる感じですが、モデルSは自分で積極的にターンさせるタイミングを変えてフェードやドローを打っていく感じです」(中村)
やさしくて飛ばせるモデルEに、高い操作性で弾道をコントロールして飛ばすモデルS。どちらも魅力的だが、それぞれどんなゴルファーと相性が良いのだろうか。
「モデルSはスピンが程よく入るし、小顔なので、球筋をコントロールしたい人や、大きすぎるヘッドが苦手な人にいい。ヘッドスピードがある人が、左を恐れずに振っていけるのもいいですね。モデルEは、ちょっとスライスが多めな人でもスクェアにヒットしてしっかりつかまえてくれるのが魅力です」(中村)
ある意味では“外ブラ的”なモデルEに対し、“ザ・ミズノ”なモデルSと、かなり特徴の異なる2モデルをラインアップさせたミズノプロのドライバー。ぜひ一度、試打してもらいたいクラブだ。
協力/PGST