大会前、ゴルフ界の話題の中心はタイガー・ウッズだった。昔から前もってスケジュールを公にするのを好まないタイガーだけに「いつ始動するのか?」が注目の的だった。
年明け早々ハワイの試合に出るのでは? といった憶測もあったがタイガーが19年初戦に選んだのは過去7勝を挙げ2008年にメジャー14勝目を達成したときの舞台トリーパインズで行われるファーマーズ・インシュランス・オープン。
あぁ、やっぱりね。新鮮味はないが得意コースで出た途端勝つなんてことがあればメジャー獲りにも弾みがつく。
そしてひと足先に19年初戦を迎えたミケルソンが目の覚めるような快進撃でライバルの話題を後ろに追いやった。
デザートクラシックは予選ラウンドでスタジアムC、ニクラストーナメントC、ラ・キンタの3コースをプレーするのだがミケルソンはラ・キンタで12アンダー60をマーク。
彼はすでに2005年と2013年のウェイストマネジメントフェニックスオープンで「60」を出しており今回が3度目。「60」以下を複数回マークしている選手はジム・フューリックとザック・ジョンソンがいるが3回はツアー最多記録である。
「スタートする前はあまりゴルフのキレが良いとは思わなかったけれどそのなかで60をマークできたのはラッキーだったね」と無欲の勝利(?)を打ち明けたミケルソン。
「オフは納得できるような練習をする時間がなかったけれど、なんだか今日はすべてが噛み合った。
楽しかったけれど毎回こういう結果を期待しちゃいけないね。というかロケットスタートしたときはそのあとが大変なんだ」と気を引き締める。
好スコアに導いたのは精神的なアプローチも大きかったという。「先のことは考えず、過ぎたことを悔やまず、いまこの瞬間に心を置いて集中する」ことで1イーグル、10バーディを引き寄せた。
ラウンド終盤「59が頭をよぎった」と本人。だが17番パー4のセカンドショットが「思った以上にフックしてピンから離れてしまった」と悔やしそう。
思えば2013年のウェイストマネジメントでもあわや59だったところ最後のパットがカップに蹴られ60。ミケルソンにしても50台の壁は厚いということか。
次週のファーマーズ・インシュランス・オープンにはいよいよタイガーが登場し役者は揃う。今年の主役は誰になるのだろうか?