もっとも勢いを感じたのはキャロウェイだが……
PGAショーは今回で7年連続で足を運んでいるという吉田。吉田によれば、建物の入り口に入った時、一番最初に目に付くところはその時々で勢いのあるメーカーだという。今年でいえば、その位置はキャロウェイが占めた。
「PGAショーが開催される建物はとても広くて、感覚的には奥行き100メートル、横幅500メートルくらいあるのですが、キャロウェイは奥行きをほぼブチ抜いて、一角を占めていました。過去に見た中で、今回のブースがもっとも大きいのではないでしょうか」(吉田、以下同)
そのメインはなんといっても発売前から話題の「エピック フラッシュ」。AIがフェース面をデザインしたこのクラブは現地でも評判で、多くの人が手にとっていた。
「タイトリストは毎年奥のほうにブースを作り、新たに発表されたプロV1ボール、クラブ、フットジョイのシューズがバランス良く並んでいます。規模感は例年通り、毎年変わらぬ根強い人気が特徴。アメリカ人って、つくづくタイトリストが好きだよな、と思わされます。タイトリストのスタッフは、ウェッジでおなじみのボブ・ボーケイさんも含めてお揃いの白いジャケットを着用。すごく大人っぽい雰囲気ですね」
吉田によれば、そんなトラディショナルで大人な雰囲気なタイトリストの対極にあるのがコブラ/プーマ。若者を強く意識したオシャレ感の溢れるブースで「ウチは他とは違うよ、という雰囲気」(吉田)とのこと。ところで、勢いのあるメーカーといえばテーラーメイドが思い浮かぶが、今年は不参加。このあたり、各メーカーそれぞれ思惑があるのだろう。
さて、ショーのなかで年々存在感を高めているのがジャパニーズブランドだ。とくに今年はミズノが久しぶりに出展することが現地でも話題に。
「ミズノのアイアン、そしてドライバーがアメリカですごく評価されているようです。それもあってブースを出展したようで、新しく発表されたRBボールも含めて、多くのアメリカ人ゴルファーが興味深そうに手にとっていました」
そして、現地で吉田が驚いたのが「アメリカのゴルフチャンネルで、アーニー・エルスが起用された“ゼクシオ”のCMがたくさん流れていたこと」だという。
「ダンロップのブースは、エルスを前面に出したゼクシオブランド、そして上級者向けのスリクソン、それよりやさしいクリーブランドという構成。クリーブランドは日本だとウェッジのイメージですが、アメリカではドライバーからアイアンまで、フルラインアップが揃っているようです。クリーブランド人気が根強い印象ですね。ブリヂストンはツアーBボール推し。タイガー・ウッズを中心に、デシャンボー、クーチャーら契約プロを前面に出し、ツアーボールのイメージを強くアピールしていました」
もちろんアメリカブランドが中心ではあるものの、日本メーカーもたしかな存在感を示していた。
2019年のPGAショーは、そんなイメージだそうだ。