「エピックフラッシュ スター」と「GBBエピック スター」どう違う!?
まずは「エピックフラッシュ スター」と「GBBエピック スター」の見た目の違いから確認していこう。やはり目を引くのはエピックフラッシュの目玉、AIがデザインした「フラッシュフェース」だ。
ボール初速を最大まで高めるためにAIが自己学習を繰り返し、たどり着いたフェースデザイン。表側から見るとその特異性は目立たないが、裏側から見れば一目瞭然。左右非対称の波紋のような凹凸は、中村曰く「人間が考えたのではこういう風にはならない」という特殊な形状だ。これによってミスヒットした時の初速の落ち込みや打感の変化を防ぎ、“どこに当たっても高初速”を実現している。
もちろんフェース面以外の部分も変化している。GBBエピックではカーボンクラウンにチタンとカーボンの複合ソールという形だったが、エピックフラッシュではカーボンクラウン、フルチタンソールに。
クラウン部分のフェース付近にあった空気抵抗を削減する「スピード・ステップ」は、エピックフラッシュにはなく、代わりにゆるやかなカーブを描く線が引かれている。細かい部分が見直され、全体的にシンプルになった印象だ。
一方でソール後方の可変ウェート「ペリメーター・ウェイティング」とフェース後方にある反発性能を高める“2本の柱”、ジェイルブレイクテクノロジーは健在で、前述のフラッシュフェースと合わせてボール初速をより高め、その上で弾道調整も可能となっている。
ではこの2種を打ち比べてみよう。シャフトは純正のものを使用、弾道調節機能はニュートラル位置のままで試打を行った。
GBBエピックスターを打った堀口は「当たってすぐ飛んでいくのがわかる」くらい反発性能が高いという。実際にヘッドスピード46.8m/sで初速が68.3m/s出ており、総飛距離は280ヤード。打ち出し角は9.9度とやや低めという結果だった。
一方の中村はヘッドスピード42~43m/sでGBBエピックスターを試打。一振りすると、結果は宣言通りのヘッドスピード42.1m/sで63.2m/s、総飛距離262ヤードとなった。計測データの中でも中村が注目したのはミート率だ。
「ミート率が1.50出ています。つまりヘッドスピードに対する初速が高く、とにかく前に前にボールを運んでいく、そんなドライバーですね」と中村が言うように、“高初速で飛ばせる”というのがGBBエピック スターの印象だ。
ではエピックフラッシュはいったいどんな進化を遂げたのか。「見た目の違和感が全然なくて、(GBBエピック スターから)すんなり入れそうです」と構えた印象自体には大きな違いがないという堀口。
そのまま一打。ヘッドスピード47.3m/sに対し、ボール初速はなんと70.5m/s。打ち出し角14.2度の高弾道で287ヤード飛ばした。
「球が上がりますね。打感は全然エピックフラッシュのほうが柔らかいです。弾いてる感じは変わらずあるんですけど、(芯を)外してもそのままいってくれる感じですね」(堀口)
ボール初速70m/sは「なかなか出ない」(堀口)ということで、エピックフラッシュの初速性能は高いようだ。
ミスヒットへの強さを確かめるべく、今度はわざとヒール目に外して打つ堀口。スライス気味になると思いきや、飛び出したボールはどストレート。ミート率は先ほどより下がったものの、ヘッドスピード45.1m/sに対しボール初速は64.7m/s、総飛距離257ヤードとミスヒットとは思えない弾道と数値を叩き出した。
「ヒール目に打ってみたんですが、スライス回転が全然かかっていない。ミート率が下がってもこの飛距離をキープできているのはすごいですね。恐るべしAI……」(堀口)
「ヒールでヒットした場合本来ならスライス気味に、ボールが右に流れていくんですが、エピックフラッシュはまっすぐ。ミスへの強さ、フェースの進化が見えますね」(中村)
続いて、GBBエピックの時と同様にヘッドスピードを少し抑えてエピックフラッシュを打つ中村。ヘッドスピード42.1m/sでボール初速は63.9m/s。265ヤードという結果に。
「今少し下目に当たったと思うんですけど、ミート率は1.52。ミスなく打ったGBBエピックよりも良い数値が出ています。オフセンターで打ってもこの数値ってすごいですよ」(中村)
ボール初速だけでなく、ミスヒットへの強さもより進化したエピックフラッシュ。まさに謳い文句通りの性能を持つことが試打データから読み取れた。この結果には、「ドライバーはこれ以上進化しないと思っていたんですけど、してますね」と堀口も驚く。
AIが実現した、プロも驚くドライバーのさらなる進化。ぜひ自身の手で味わってみてほしい。
協力/PGST