PGAツアーでもっとも多くのギャラリーを集めるウェイストマネジメントフェニックスオープン。
とりわけ有名なのが2万人収容の巨大なギャラリースタンドに取り囲まれた16番パー3のスタジアムホール。今年はそこに昨年8月、36歳の若さでこの世を去ったオーストラリア出身のプレーヤー、ジャロッド・ライルを追悼するコーナーが設けられた。

1997年、プロに転向したばかりのタイガー・ウッズが初出場でホールインワンを達成したTPCスコッツデールの名物ホール。2011年、そこでエースをマークしたのがライルだった。

10代の頃に白血病を発症。3度の再発と骨髄移植に耐えプロになって活躍したライル。常に笑顔を忘れなかった彼がとびきりの笑顔を見せたのが8年前、生涯初のホールインワンを達成し地鳴りのようなギャラリーの歓声に包まれたときだった。

「あの日のことはよく覚えている。ジャロッド(ライル)らしい人を幸せにする笑顔だった。観ていたこっちもうれしくなった」というのは同じオーストラリア出身のアーロン・バデリー。

昨年8月9日、ライルが帰らぬ人となったときウェイストマネジメントフェニックスオープンのトーナメントディレクターのチャンス・コズビー氏が「16番ホールに彼の生前の功績を讃えるメモリアル的なものを設置できないか」を検討。

画像: 今大会を制したファウラーも試合中にハットに触れていた(写真はGetty Images)

今大会を制したファウラーも試合中にハットに触れていた(写真はGetty Images)

ホールインワンを達成した8番アイアンを含め彼が使用していたクラブをタイトリストのキャディバッグに収め、その上にトレードマークの黄色いハットを載せ16番にディスプレーするというアイディアを思いついた。

さらに「追悼ジャロッド・ライル。11年2月5日、午前9時16分、150ヤード、8番アイアンでホールインワンを達成。安らかに眠れ」と書かれたブレートも埋め込まれた。

16番でホールインワンをマークしたのは史上9人。「ジャロッドの偉業を永遠に忘れないで欲しい」
というコズビー氏の粋な計らいは好意的に受け止められ、試合中にキャディバッグやハットに触れる選手も。

彼らは「ジェラッドは誰からも愛されていた」と口を揃えた。だからこそフェニックスオープンの主催者が追悼の意味を込めて16番に設置したバッグとプレートを目にして「胸が熱くなった」「素晴らしいこと」といったのだ。

ホールインワンで獲得した2万5千ドル(約275万円)を迷うことなくチャリティに寄付したライル。
大会側の計らいに天国からとびきりの笑顔で「いいね!」といっているだろうか。

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