トップでクラブを収める高さや深さは、それぞれの体の柔軟性によって決まります。そこで今回は、「自分にとって最適なトップポジションを見つけるためのチェック方法」を紹介しましょう。
たとえば、ローリー・マキロイやリッキー・ファウラーなどは、手元が低い位置に収まるフラットなトップの代表選手といえます。逆に、ジェイソン・デイやダスティン・ジョンソンは、手元が高い位置に収まるアップライトなトップの代表選手です。
自分が好きな選手や憧れているプロのトップの形を真似しようと思っても、手の長さや体の柔軟性は人によって違うので、それが自分にもピッタリ合うとは限りません。無理に真似をしようとして、スウィングを壊してしまう可能性もあります。では、どうすれば、自分の身体特性に合った、最適なトップポジションを見つけることができるのか。それはいくつかの柔軟性のテストをすることで分かります。
まず、右利きの場合、上体をどの程度、右に捻転できるかを、チェックしてみましょう。椅子に腰かけた状態で、腕を交差させて胸にあてるか、アライメントスティックを胸にあて、上体を右に捻じります。椅子に座った状態だと、下半身が固定されるため、上体の柔軟性がどのくらいあるかが分かります。胸椎や肩甲骨の柔軟性が高く、深く捻転できる人は、手元を深い位置まで持っていくことができます。この柔軟性があまり高くない人が、無理に深いトップを作ろうとすると、バックスウィングで体重がかかと側に寄って、バランスを崩したり、トップで前傾姿勢が起き上がりやすくなります。
加えて、右股関節の柔軟性もトップの深さを決める要素のひとつになります。これをチェックするには、右足1本で立ち、左手はクラブなどで体を支えた状態で、右に捻じってみましょう。また、床に仰向けに寝た状態で右足だけを浮かせ、右のお尻を床につけたまま、どのくらい回すことができるかをチェックしてみましょう。上体を右に捻じる柔軟性プラス、右股関節をどのくらい回転、あるいは捻じることができるかによって、最適なトップの深さが決まります。
次に、最適なトップの高さを知るためのチェック方法を紹介しましょう。まず、背筋を伸ばした状態で中腰の姿勢をとります。この基本姿勢からアルファベットの大文字の“Y”の形を作るように、両腕を上げていきます。このとき、ひざを前に出して上半身を起こしたり、頭が下がらないように注意してください。基本姿勢を崩さずに、両腕を上げていったとき、耳の高さまで上がる人は、肩回りの柔軟性が高いので、アップライトな高いトップを作ることが可能です。肩回りの柔軟性が低く、あまり高く上げられない人が、無理に高いトップを作ろうとすれば、バックスウィングで体の右サイドが伸び上がったり、前傾姿勢が起き上がりやすくなります。
もうひとつ、同じ基本姿勢から、両肘を直角に曲げた状態で、同じように両腕を上げていきます。これも肩回りの柔軟性をチェックする方法のひとつです。腕がどのくらい上がるかを確認したら、バックスウィングをするように、上体を右に捻じってみましょう。このときの右手の位置に、左手が届くかどうかをチェック。
届かない場合は左手の位置まで右手を下げてグリップの形を作ります。ここがその人にとって最適なトップの位置になります。自分の体の柔軟性や可動域を知ることは、無理のない正しいスウィングを作る上でとても重要なので、今回紹介した方法でチェックしてみてください。
取材協力/ヒルトップ横浜クラブ