松山英樹のキャディとして6年間米ツアーに挑戦し、結果を残してきたプロキャディの進藤大典。2019年は松山英樹のキャディとして数試合はバッグを担ぐ予定だというが、それ以外の活動も見据えている。そんな進藤キャディに、みんなのゴルフダイジェスト編集部が話を聞いた。

PGAツアーは常に「最先端」を取り入れている

みんなのゴルフダイジェスト編集部(以下、編集部):日米でキャディ経験な豊富な進藤キャディですが、日本ツアーとPGAツアーの違いはどんなところにあるのでしょうか?

進藤大典(以下:進藤):米ツアーは研究、研究で二歩も三歩も進んでいる感覚があります。フィジカルでも、スウィングでも、メンタルでも、栄養学やサプリメントでも……すべてが最先端だと思いますし、最先端を取り入れてより良くしようと考えてやっています。

画像: 松山英樹の専属キャディとして6年間米ツアーに挑戦した進藤大典(写真は2018年のダンロップフェニックス 写真/岡沢裕行)

松山英樹の専属キャディとして6年間米ツアーに挑戦した進藤大典(写真は2018年のダンロップフェニックス 写真/岡沢裕行)

編集部:日本ツアー、あるいは日本人選手が追いつくために必要なことはなんでしょうか。

進藤:その場に行かないと分からないと思います。ゴルフの世界もグローバル化が進んでいます。ジュニアでもプロでも、できるだけ早めに外に飛び出て日本以外の世界を見てほしいですね。そして、海外の選手は日本の選手と比べて世界のニュースに関心を持っています。スポーツでも錦織(圭)が活躍してるねとか、メジャーリーガーの誰がすごいとか、ラグビー勝ったな、とかみんな自国以外のことにも関心を持っています。やっぱり海外の事情を取り入れて行かないと遅れてしまうと感じました。

編集部:キャディのやり方にも違いはありますか?

進藤:米ツアーではキャディのプロ意識の高さを感じました。コース自体が難しいので、コースチェック、マネジメントのレベルが高いです。コースチェックもコースが広く大きいのでチェックする箇所が多くなります。戦略的なコースが多く、試合中は日によってティグラウンドの位置が大きく変わることもあるので、攻め方も一辺倒というわけにはいきません。

選手だけでなく、キャディでも英語を覚えてPGAツアーに挑戦してもいいと思います。そういうことには喜んでサポートしたいですね。

「今日はアタックしていい日なのか」を見極めて、戦略を立てる

編集部:そんな最高峰の舞台で、松山英樹プロのキャディとして戦う中での醍醐味はどんなところでしょう?

画像: 松山英樹のキャディとして自分でも信じられないような貴重な経験を積んできたという(写真は2018年ダンロップフェニックス 写真/岡沢裕行)

松山英樹のキャディとして自分でも信じられないような貴重な経験を積んできたという(写真は2018年ダンロップフェニックス 写真/岡沢裕行)

進藤:やっぱり選手とひとつになってスコアを作っていく過程というのはやりがいでしかないし、その1打に何か力になれたことがあれば充実感があります。その日の気温、風、湿度、ピンポジションによってスコアがどれくらいになるのか。選手と一緒に戦略を立てて今日はスコアがあまり出ないのか、アタックしていっていい日なのか、選手にアドバイスできることを大切にしてきました。

とくにマスターズなどは典型的で、朝のピンポジションをチェックした時点でグリーンの端に振ってきたな、今日はスコアが出ないなとか。初日からプランを決めてやったうえで、最終日のバックナインで優勝争いの位置にいられるかどうか、そういうゲームプランを考えるようにしていました。

画像: 海外のツアーにどんどん挑戦する若手が増えて欲しいと語る

海外のツアーにどんどん挑戦する若手が増えて欲しいと語る

編集部:今後の活動はどんな予定ですか?

進藤:今年は数試合松山プロのキャディをやる予定です。それとキャディ以外の仕事を広げていきたいと考えていて、世の中にキャディの仕事の認知度であったり仕事内容の向上、若手のプロキャディが増えていくような活動を考えています。

また、いろいろな人の話を聞きたいと思います。39歳になるのでいろいろな世界を知っていきたいですね。6年間米ツアーに出ていたので浦島太郎になっているところがあって。向こうで得た経験もありますができなかった経験もありますので40代に向けて勉強していきたいと思っています。米ツアーで培った経験をジュニアや若手のプロゴルファーやプロキャディになりたい若い世代に伝えていきたいですね。

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