「イメージ」と「耳」と「足」を使おう
12月に比べれば日が長くなってきたが、遅めスタートでどんより曇り空の日などは、ホールアウト前にだいぶ暗くなり、「18ホール完走できるかな?」と不安がよぎるなんてこともまだある。
暗くなると、ターゲットは見にくくなるし、グリーン上ではラインが読みにくくなる。もしそんな状況で、ベストスコアが更新できそうなペースでプレーしていたとしたら……スコアを守るためにできることは何か。元研修生で、日没間際プレーを日常的に行っていたというプロゴルファー・中村修に聞いた。
「研修生時代、プレーができるのはお客さんのホールアウト後。必然的に、日没間際の暗い中でのプレーの機会が多くありました。暗くなって使えなくなるのは『目』ですよね。ですから、目以外の部分で補う必要があります」(中村、以下同)
目以外の部分とはどこか。まずは「イメージ力」。そして、「耳」と「足」だ。
「私が実際にやっていた方法としては、ターゲットが見えにくいなと感じたら、ボールの後方に立って一度目をつぶるんです。そして、頭のなかでターゲットのイメージを思い描く。そして、そのイメージが残っているうちにショットします」
中村によれば、見えるか見えないか中途半端な状態で打つよりは、いっそ目を閉じたほうがイメージが湧きやすいのだという。そして、いざショットを放ったら次は「耳」の出番だ。
「耳を澄ませると、木に当たった音はもちろん、ショットがフェアウェイをヒットする音も聞こえるもの。その情報をしっかり聞くことを意識すると、ヘッドアップも防げて一石二鳥です」
ナイターゴルフなどでも言えることだが、音をしっかり聞くことを習慣にすると、ボールも見つけやすくなる。
そして最後、グリーン上では「足」の出番だ。
「暗くてラインが読みにくいときは、歩測をしてカップまでの距離を測り、足の裏で傾斜を感じることです。その上で、パットの結果はショット同様耳で聞くことが大事です」
中村は、日没ゴルフはゴルフのイメージ作りには非常にいいと言う。目から入る情報が少なくなるからこそ、五感を研ぎ澄ませてプレーする。その感覚は、普段のゴルフにも必ず役に立つというわけだ。
ただ、あくまで歩測などは時間をかけずに行うのが前提。PGAツアーのように「日没サスペンデッド」とはいかない一般アマチュアにとって、集中力を高めすぎて時を忘れてスロープレーになれば、その分だけ日が沈み、プレー不能になってしまう危険性があるのでご注意を!