2人の練習シーンをウォッチしていると、目澤コーチはおもむろに2本のシャフトを取り出して、ウェッジ(58度)を打っている河本のスタンスへ“十の字”にセットした。
「ターゲットへ球を打ちながら、この棒(シャフト)よりも自分が右側に傾いていたら『ちょっと右肩が落ちてきてるな』『インサイドから来てるかな』と、逆に左側に傾いていたら『突っ込んでるのかな』『アウトサイドから下りてるかな』という判断基準になります。そのとき、たった1球でジャッジするのは難しいので、5球くらい打って、今日はどっちから来ているかを判断してもらうように。このようにしてウェッジの入射角をそろえることで、球の高さやスピン量、距離感がそろってきます。アマチュアの皆さんもセルフチェックがしやすいでしょう」(目澤)
ヘッドがどう入ってくるかは、その日のコンディションや調子によって変わりやすいという。アマチュアゴルファーも、その日のクセ=ヘッドの入り方を練習の始めのうちにつかんで調整することで、他のクラブも入射角がそろうようになる。それが安定したアプローチやショットにつながるのだ。
「長い棒がボールから背中まで突き抜けているイメージで打ってます」
「私はどちらかというと、棒(シャフト)の右側というか手前から下りやすい、ヘッドがシャローに寝て入る傾向があるので、そうならないように気をつけています。もう一つ大事にしているのは、スウィング中に胸とボールの距離感が変わらないこと。たとえるなら、メッチャ長い棒がボールから背中を突き抜けているイメージで打つと、その距離感が一定になるんです」(河本)
前傾の角度を保ったまま振ることで胸とボールの距離感が一定になって、入射角がそろうしインパクトの再現性が高まる。そして、弾道やタテ距離が安定する。これはウェッジに限らず、すべてのショットの精度アップにつながることだ。
「私がスウィングを見るときは、正面からと後方からの2方向からチェックします。結ちゃんで言えば、正面からはヘッドが手前から入っていないか、後方からはインサイドから下りていないか。スウィングは3D(立体的)で動いているので、両方から見ないと正確な判断はできないのです」(目澤)
協力/クレアゴルフフィールド