試合のないオフシーズン、女子プロたちはどんなトレーニングを積んでいるのか。ゴルフパーソナルトレーナー・植田理恵子さんのもと行われた女子プロたちのトレーニング合宿に一日密着した!

毎年シーズンオフ中に行われているという女子プロ合宿。そもそも個人競技であるゴルフでなぜ合宿を開こうと思ったのか、合宿を主催する植田理恵子トレーナーに話を聞いた。

「連戦が続く女子プロゴルフは、シーズンが後半になるにつれ疲労がたまり体のバランスを崩す選手が多かったんです。そこで原点に戻って体の構造の勉強や、体を分離させて動かせるように再調整した上で、複合動作としてゴルフのスウィングを再形成することを目的に合宿を開催しました」(植田トレーナー)

ゴルフは個人競技のため、選手たちが一堂に会するのは試合会場くらいのもの。「団体で練習をすることで、競争心を燃やして切磋琢磨してもらう」のも目的の一つだと植田は言う。

今年の合宿にもトレーナーとして植田が指導している西山ゆかりをはじめ、多くのプロが集まった。参加者は西山ゆかり、村田理沙、斉藤愛璃、照山亜寿美、山城奈々、長田若菜、学生ゴルフで結果を出したトップアマ・丹野寧々の7名。それでは女子プロたちがどんな練習をしているのか、一日の流れを見ていこう。

2019年1月、都内で行われた女子プロ合宿は朝9時からのストレッチで始まった。筋肉や関節をみっちり1時間かけてほぐし、練習に向けて身体を温める。

画像: 1時間かけてストレッチ。疲労した筋肉や関節をほぐしていく

1時間かけてストレッチ。疲労した筋肉や関節をほぐしていく

その後練習場へ移動し、2時間ほどクラブを握って個人練習。ウェッジ、アイアンを中心に各々スウィングのチェックや課題に取り組む。実際にボールを打って練習するのはこの2時間のみで、合宿の大半は身体強化や柔軟性の向上など、より良いスウィングの土台作りに重点を置いている。

画像: 5つのボールを連続で打つドリルに取り組む斉藤愛璃

5つのボールを連続で打つドリルに取り組む斉藤愛璃

昼休憩を挟み、13時からは4時間かけてスウィングに必要な関節の動きを強化するトレーニング。どのように関節が動いていて、どうやって体を動かせば効率よくスウィングにつなげることができるのか。体の仕組みについて座学を交え、頭で学びなら体で覚えていく。

画像: 植田トレーナーが関節の仕組みを解説しながら、実際にプロたちが動きを確認していく

植田トレーナーが関節の仕組みを解説しながら、実際にプロたちが動きを確認していく

常にゴルフにおけるどの動きにつながるのかを意識しながら、実際の動きと感覚のズレを修正していく。もし動きづらい部位が見つかれば、それは自分のスウィングのウィークポイントになり得る部分で、同時に伸びしろでもある。

画像: トレーニングの効果を実際のスウィングに落とし込むべく鏡を見ながらアドレスをチェックする村田理沙

トレーニングの効果を実際のスウィングに落とし込むべく鏡を見ながらアドレスをチェックする村田理沙

中でも特に重点を置いていたのは、股関節・胸椎・胸郭・腹圧の4箇所。深層部の筋肉を動かすため見た目以上にキツいトレーニングとなっている。合宿では女子プロたちが何種ものストレッチを実践していたが、今回はその中からいくつか紹介しよう。

まずは胸郭を意識した「キャットストレッチ」。両手両ヒザをついた状態で腰を安定させながら、肩甲骨と肩甲骨の間を支点に体を丸め、今度は胸を突き出すようにして背中を伸ばす。

画像: キャットストレッチ。胸郭だけを動かすのがポイント

キャットストレッチ。胸郭だけを動かすのがポイント

ポイントは胸郭だけを動かすように意識すること。この動きがうまくできないと肩や首に力が入り、腕力で動作を作ってしまうのだという。

続いてはバックスウィングを意識したトレーニング。うつ伏せの状態から両足を開いて腰を浮かせる。そのまま腰を安定させつつ上半身だけ横向きになり、両腕を横に伸ばす。その状態から腕を上げていく。

画像: バックスウィングを意識したトレーニング。同時に股関節も強化している

バックスウィングを意識したトレーニング。同時に股関節も強化している

ただ単に腕を上げるのではなく、胸郭を始点にしてねじっていくことで腕力を使わずにバックスウィングが身に付くというわけだ。

3つ目は背骨と骨盤の連動を促すトレーニング。ヒザを軽く曲げて、両腕を前に出す。その状態から上半身が床と平行になるように体を伸ばしていく。手とお尻が引っ張り合うように伸ばすのがポイントだ。

画像: 背骨と骨盤の連動を促すトレーニング。手とお尻が引っ張り合うように体を倒していくのがポイント

背骨と骨盤の連動を促すトレーニング。手とお尻が引っ張り合うように体を倒していくのがポイント

このストレッチによって背骨全体と骨盤が連動し、アドレスした時に骨盤がキレイに前傾するようになり、重心移動もスムーズに行えるようになる。

ここまでで4時間あるトレーニングのうち、1時間強といったところ。このあともまだまだ紹介しきれないほどのストレッチを女子プロたちはこなしていた。

女子プロたちにとってもやはりキツイトレーニングではあるものの、「もちろんキツイんですけど、毎年やらせていただいていて力もついてきていると思います。シーズン前にすごく良いトレーニングになっています」と村田理沙。

斉藤愛璃も「自分にできないことがたくさんあったので、今後の伸びしろがたくさん見つかりました」とキッカケをつかんだようだ。

画像: トレーニング終了後、取材に応じてくれた斉藤愛璃は「伸び代が見つかった」と手応えを感じていた

トレーニング終了後、取材に応じてくれた斉藤愛璃は「伸び代が見つかった」と手応えを感じていた

ツアー開幕前の冬の時期、女子プロたちの戦いへの準備は、今日も続いているに違いない。

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