弾道調整が可能になった
テーラーメイドの「M5」に「M6」、そしてキャロウェイの「EPICフラッシュ」シリーズと並び、2019年の発売モデルのなかでも注目度が高いクラブのひとつ、ピンの「G410」シリーズ。
スタンダード、SFT、LST、MAXと全4モデルあったG400に対し、G410はプラスとSFTの2モデルがラインナップ。プラスはトウ側、ヒール側へとウェートを移動させられるクラブ。SFTは初めからヒール側に大きなウェートが配置された、つかまりのいいクラブとなっている。
![画像: ピン「G410 プラス」(10.5度)。ピン史上初の可変ウェートが搭載されたスタンダードモデル](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/9cc862de3cb009a74e2a1e0795317a2a93fc14c3_xlarge.jpg)
ピン「G410 プラス」(10.5度)。ピン史上初の可変ウェートが搭載されたスタンダードモデル
まずは「G410 プラス」を二人に打ってもらった。試打スペックは10.5度で、純正シャフト「ALTA JCB RED」のSフレックスを使用した。
まずはウェートをニュートラル位置にセットしたG410 プラスを堀口が試打し、277ヤード飛ばす。計測によるとヘッドスピード44.0m/sに対し、ボール初速は66.3m/s。打ち出し角は13.7度でスピン量は2133回転という試打結果となった。打ち出しはやや高め、スピンはやや少なめ、初速はまずまず出ているといったところ。打感や振り心地はどうだろうか。
「弾くんですけど、打感的にはG400より柔らかい。軽いと言ってもボールが軽い(弱い)わけじゃなくて、振り感が軽いという感じ。ハーフウェイダウンからインパクトにかけて、しっかりヘッドが走ってくる感覚があります」(堀口)
続けて中村もG410 プラスを手に取る。
「構えた感じは少しだけ右に開いてるような見た目。極端ではないので、『左に引っかからなそう』といった感じですね。少しアップライトです」(中村)
フェードヒッターの中村は左に出て右に戻るキレイなフェードで253ヤード。「少し硬めで、弾きが強いですね」と、中村の感覚だと打感の硬さが少し気になるようだが「つかまり、球の高さ、初速は前と比べて進化している感じがします」という。
![画像: テーラーメイドの「M5」やキャロウェイの「EPICフラッシュ」がスライド式なのに対し、G410プラスはニュートラル、ドロー、フェードと3つのポジションにウェートを付け替えられる方式](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/235de0a5b8dd9fbed57851c587dc73d3b37298d2_xlarge.jpg)
テーラーメイドの「M5」やキャロウェイの「EPICフラッシュ」がスライド式なのに対し、G410プラスはニュートラル、ドロー、フェードと3つのポジションにウェートを付け替えられる方式
では注目の可変ウェートによる弾道調整機能を試してみよう。
![画像: ウェートをドローポジションに変更して打ってみた](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/d1960d8bc990239a68f1863d367d0414f9727956_xlarge.jpg)
ウェートをドローポジションに変更して打ってみた
ウェート位置をドローポジションに変更して堀口が一振りすると、先ほどよりも曲がり幅が抑えめの弾道(写真A参照)でトータル286ヤード飛ばす。打ち出し角は15.4度と高弾道を維持したまま、スピン量は2133回転とまったく同じ数値となった。
「球が逃げないですね。今ちょっと当たりは逃がしちゃったくらいなんですけど、ボールは逃げていかない。コッチのほうがつかまる分、打ちやすいかもしれません。データもいい数値です」(堀口)
![画像: (写真A)左がニュートラルポジション、写真右がドローポジションでの試打結果。可変ウェート位置を変えたことで曲がり幅が抑えられていることがわかる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/738aeadb0a98e7b6f6d67931a24b727bd9f313a7_xlarge.jpg)
(写真A)左がニュートラルポジション、写真右がドローポジションでの試打結果。可変ウェート位置を変えたことで曲がり幅が抑えられていることがわかる
ヘッド体積は455CCで、G400MAXよりも5CC小さい。性能的にはG400MAXに近いものがあるが、そこに可変ウェートによる調整の幅が加わったというイメージだ。G400の人気の秘密といえる、ミスヒット時の曲がりの少なさは相変わらず。大幅に進化した! というよりも、変わらずそこにある、という印象だ。
![画像: G410 プラスの試打結果](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/768a9bbf9ad1e98e4fa27c6874a9eea5a98fb49b_xlarge.jpg)
G410 プラスの試打結果
G410SFTはつかまる!
続いてはG410 SFTを打ってみよう。SFT(ストレート・フライト・テクノロジー)と銘打ち、つかまりを重視したヒール寄りの重心設計で右へのミスを抑制するモデル。こちらも試打スペックはプラスと同じく10.5度、純正シャフト「ALTA JCB RED」のSフレックスを使用した。
![画像: ピン「G410 SFT」(10.5度)。つかまりを重視したヒール寄りの重心設計。SFTは固定ウェートとなっている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/2560187e7f6371b3e10052f4a997057802cd53ca_xlarge.jpg)
ピン「G410 SFT」(10.5度)。つかまりを重視したヒール寄りの重心設計。SFTは固定ウェートとなっている
さっそく堀口がSFTを打ち、276ヤード飛ばす。飛距離、打ち出し角、スピン量はプラスと同様の結果だが、弾道は軽めのドローボールに(写真B参照)。
「ちゃんとつかまってきますね。ドローを打とうとせず普通に振ってもちゃんとつかまってくるので、これはクラブの性能と言えます。これだったら右に逃げる人でもちゃんとつかまえられそうですね」(堀口)
![画像: (写真B)堀口のSFTの弾道。しっかりボールがつかまり、ドロー軌道に](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/b5e16fc8f6416818e15ff71fa381d226adb6685e_xlarge.jpg)
(写真B)堀口のSFTの弾道。しっかりボールがつかまり、ドロー軌道に
続けて中村もSFTを試打。
「見た目はプラスより少し丸っこい印象。安心感があるタイプのヘッドですね」(中村)
ストレートな弾道で261ヤード飛ばした中村。実際に打ってみるとSFTは「プラスよりもさらに曲がりが少ないような感じ」だという。
「ちょっとヒールめかなと思ったんですけど、球はほぼストレートな感じで曲がりも少ないです。初速も出てますね」(中村)
![画像: G410 SFTの試打結果](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/02/21/b641904097ed8bd25eb4ca1ad7ed300cf921b5f3_xlarge.jpg)
G410 SFTの試打結果
つかまりの良さがウリのSFTだが、プラスのウェートをドローポジションにした場合と比べるとどうか。
「つかまりの度合いで比較するとやはりSFTのほうが強いですね。構えた時のロフトの見え方なども、SFTの方がアドレスからつかまえてくれるイメージが湧きやすいです」(堀口)
やはり構えた印象は可変ウェートでは変えようがない。つかまりという面ではSFTに分がありそうだ。ということは打球が右に逃げてしまうスライサーにはSFTがオススメ……と言いたいところだが、「スライサーならSFT、というわけではない」という中村。
「つかまりがいいので、右に出て右に曲がるスライサーにはオススメですね。逆に、左に出てたまにチーピンも出るというスライサーにはつかまりすぎてしまう可能性もあるので、もしかしたらG410プラスのほうがいいかもしれませんね。“左真っすぐ”が出てしまうかもしれませんから」(中村)
細かい部分ではロフト調整機能の調整幅も増えていて、プラスに関しては可変ウェートも搭載と全体的にイジれる箇所が増えたG410。しかしその影響でスリーブ形状が変わっているため、G400で使っていたシャフトをG410でも使いたい場合はスリーブごと入れ替える手間がかかることは覚えておこう。
協力/PGST
“名器”G400を超えることができるか!? 「G410 プラス/SFT」をプロ二人が徹底試打!
youtu.be