米女子ツアーは“戦国時代”の様相
畑岡奈紗がシンガポールで好スタートを切った。 今シーズンは開幕から16位タイ、63位と思ったような結果が出ていないが2月28日に初日を迎えたHSBC女子チャンピオンズ第1ラウンド、首位グループに1打差の好発進に手応えを滲ませた。
「(3バーディ、ノーボギーの内容に)ボギーがなかったのがなによりも良かったです」とメディアに囲まれコメントした畑岡。
コース攻略の鍵を訊かれると「ピンを狙うのではなくグリーンの手前から攻めることを心がけました。下が硬いですから。攻めすぎず落ち着いてプレーしたのが良かった」。
昨シーズンは 賞金ランク5位、年間女王ランキング3位と大躍進。米ツアーを代表するプレーヤーのひとりに成長した。さらなる飛躍が期待される今年は上位争いができずにいたが、ここにきてようやくエンジンがかかってきた。
63位に終わった前週のホンダLPGAタイランドでは武器であるはずのショットが悪かった。だがシンガポール入りしてからの練習するうち「少し良くなった」と手応えを滲ませる。
ディフェンディングチャンピオンのミッシェル・ウィは右手のケガが再発し初日途中で大会を棄権。右手首をかばいながらのプレーを続けるも14ホール終了時点で10オーバーを叩いたあと続行を断念した。
さらに前週タイで優勝を飾ったエイミー・ヤンも体調を崩し初日3ホールを消化したところでコースをあとに(棄権)。
ちなみにウィの手首のケガは2年前の自動車事故が原因。そのとき彼女は同時に首も痛めている。
強豪が姿を消しても現在のLPGAツアーは層が厚い。アリヤ(23歳)&モリヤ(24歳)のジュタヌガーン姉妹、今季すでに優勝を飾っているコルダ姉妹の妹ネリー(20歳)、実力派ミンジー・リー(22歳)ら20代前半の強力なライバルが目白押しだ。
少し前は韓国勢が席巻していた同ツアーだが昨季はアメリカ勢の優勝者の数が韓国勢の数を上回るなど徐々に勢力地図が変化している。戦国時代だからこそ畑岡は日本のエースとして存在感を示すチャンスがある。
賞金ランク上位63名のエリートフィールドで競われる“アジアのメジャー”で勝てば憧れの宮里藍が2010年に制して以来日本勢2人目の快挙だ。