フォージドアイアンながら飛ぶというキャロウェイ「APEX」「APEX PRO」アイアン。顔が良くて飛ぶならいいことずくめだが……プロゴルファー・中村修とノリーこと堀口宜篤の二人が試打、性能を確かめてみた!

飛び系っぽくない形状。だけど“ぶっ飛ぶ”「APEX」

アメリカでキャロウェイ「APEX」シリーズが大人気なのをご存知だろうか。日本では正直ちょっぴり地味な印象があるシリーズだが、2015年発売の2代目APEXが、2015年1月-2018年11月の期間、アメリカ市場でのキャロウェイアイアンの販売金額No.1だったのだそうだ。

その最新モデルは、フォージド(鍛造)アイアンで、なおかつロフトもそこまでストロング(立っている)ではないのに、やたらと飛ぶというのが謳い文句。

そこで今回はこの2モデルをプロ二人が試打。両モデルとも7番アイアンで、シャフトはAPEXがNSプロ ゼロス8のS、APEX PROがNSプロ 950GHのSをそれぞれ使用した。まずはAPEXから見ていこう。

ロフト角は30.5度と、ストロングロフト化が進む昨今では控えめな設定。たとえばぶっ飛び系アイアンの代名詞・ヤマハのインプレスUD+2の7番のロフトは26度なので、それと比べると4.5度、つまりほぼ1番手分“寝ている”ことになる。それもあって、APEXは「飛び系に見えない形状」だと堀口。

画像: キャロウェイ「APEX」アイアン(7番)。軟鉄鍛造の打感を損なわずに飛距離性能も両立した、まさに“飛ぶフォージドアイアン”だ

キャロウェイ「APEX」アイアン(7番)。軟鉄鍛造の打感を損なわずに飛距離性能も両立した、まさに“飛ぶフォージドアイアン”だ

「見た目がスッキリしていて、飛び系アイアンの顔って感じではないですね。厚みはあるんですけどコンパクトさも感じるのでそんなに違和感がないです」(堀口)

飛び系アイアンの場合、構えたときにトップブレードの横からソール部分がハミ出していることがままある。ロフトを立てると球が上がりにくくなるため、ソール幅を広げてそれを緩和するためだが、見た目的には嫌という人も多い(逆に安心感を得られる場合もあるが)。

APEXの場合、見た目はまさしく「普通のアイアン」だ。むしろカッコいい。けれども飛距離性能はまさに“飛び系”。堀口の飛距離はトータル198ヤード。ヘッドスピード37.6m/sでボール初速は55.2m/s。打ち出し角は18度とかなり高めで、 スピン量は4491回転という結果に。

「弾きもあるし気持ちいいですねコレ。なかなか振り抜きもいいですよ、ヘッドもコンパクトなので。この形状でこの飛距離は魅力ですね」(堀口)

続いてAPEXを手に取った中村も「他の飛び系と比べると形状に全然違和感がない」という。中村はトータル177ヤード。ヘッドスピード35.5m/sに対しボール初速は51.3m/s。打ち出し角は19.9度、スピン量は5033回転という結果だった。

「実際に打つと直線的に高さが出て前に飛んでくれるし、やさしいですよ」(中村)

画像: APEXの試打結果(上:堀口 下:中村)

APEXの試打結果(上:堀口 下:中村)

ツアーモデルだけど飛距離性能も備える「APEX PRO」

一方のAPEX PROはPROと名がつくだけあってだいぶシャープな見た目。ロフト角は33度。参考までに、最近めっきり少なくなったマッスルバックアイアンのタイトリスト「718MB」の7番のロフトが35度だから、APEX PROの33度は最近のアイアンでは明らかに“寝てるほう”だ。

画像: キャロウェイ「APEX PRO」アイアン(7番)。ツアーモデルだけあってシャープでクラシックな見た目ながら、飛距離性能も持ち合わせる

キャロウェイ「APEX PRO」アイアン(7番)。ツアーモデルだけあってシャープでクラシックな見た目ながら、飛距離性能も持ち合わせる

打った堀口は「めっちゃやわらかい。吸い付いてきますね。普通に打ってもAPEXと同様に高弾道です。打感で選ぶなら僕はこっちですね」という。打ち出し角20.8度の超高弾道で178ヤードをマーク。打感はやわらかいのに、ヘッドスピード37.1m/sに対しボール初速は58.0m/sと、しっかり初速も出ている。

続いてAPEX PROを手に取った中村も「軟鉄鍛造らしい打感のやわらかさがありますね」という。飛距離はトータル160ヤード。打ち出し角が19.2度、ヘッドスピード35m/sでボール初速は47.5m/s、スピン量は5424回転という結果に。

“飛ぶ!”という感じではないが、飛ばない感じもない。シャープな形状、やわらかい打感という上級者好みを満たしつつ、“ちょっと飛ぶ”といったところか。

画像: APEX PROの試打結果(上:堀口 下:中村)

APEX PROの試打結果(上:堀口 下:中村)

「両モデルともカップフェースなんですよね(3~7番。短い番手の8~AWはフェースプレートを採用)。そのことでフェースの反発性能を高め、ボール初速を上げています。さらに、軟鉄鍛造の打感の良さに加えてフェース内部にウレタンを入れることで、打感をやわらかくする仕掛けもしているそうなんです」(中村)

とくに海外ブランドのアイアンのトレンドとして、ヘッド内部にウレタンなど異素材を仕込み、打感を良くするモデルは多いが、APEXもその系統ということだ。では、それぞれどんなゴルファーにオススメなのだろうか。

「ドライバーのヘッドスピードが45m/s以下の方ならAPEXが相当いい。それ以上ヘッドスピードがある、またはある程度ミート率が高い中・上級者ならAPEX PROもいいですね。打感やコントロール性が高い上に、一昔前のプロモデルと比べれば格段にやさしいです。ただ、両モデルともネックがだいぶ絞ってあるので好みは分かれると思います。見た目が気に入れば、性能はバッチリですね」(中村)

それにしても最近のアイアンは、見た目と性能が一致“しない”場合が多い。内部にウェートや異素材を加えることで、見た目とは裏腹な飛びとやさしさを獲得したAPEXとAPEX PRO。アイアンの進化は、“見た目と性能が一致しない”方向へと進んでいくのかも。

協力/PGST

画像: 見た目と裏腹な飛びとやさしさ?キャロウェイ「APEX」「APEX PRO」を徹底試打! youtu.be

見た目と裏腹な飛びとやさしさ?キャロウェイ「APEX」「APEX PRO」を徹底試打!

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