ジム・フューリックはマスターズの出場権を手に入れることができるか
第21回目を迎えるWGCマッチプレーは、64人で始まるというのは第1回大会からずっと変わりませんが、2015年からは4人1組で16のグループに分け、それぞれのグループを1位で勝ち上がった16名がその後トーナメント方式で戦う形式に変わっています。
16のグループを見渡してみると、「グループ12」が一際目を引きます。ジェイソン・デイ、フィル・ミケルソン、ヘンリク・ステンソン、ジム・フューリックという4人ともメジャーチャンピオンで、4人でPGAツアー79勝というグループ。4人とも経験豊富で、1番若いデイでも9回目の出場になります。意外にもこの4人のマッチプレーでの対戦は過去に1度もないということで、どの対戦も非常に興味深いところです。
このグループではジム・フューリックに注目しています。64名のフィールドにはまだマスターズ出場権を持っていない選手が9人いて、今週が終わった後の世界ランキング50位までがその出場権を得ます(編注:フューリックの世界ランクは現時点で54位)。
ホンダクラシックで9位に入ったことでプレーヤーズ選手権の出場権を得て、そのプレーヤーズ選手権で2位に入ってこのマッチプレーの出場権をもぎ取りました。最近の好調の流れのままもうひと押しして、オーガスタ行きのチケットを獲得したいところです。
再来週にマスターズを控えて、今年ここまでまったく成績が出ていないジョーダン・スピースの奮起に期待したいところです。テキサス大学の練習場所でもあるオースティン・カントリークラブはスピースにとっては地元で庭のような場所です。
今季は出場8試合のうち最高成績が35位タイで、世界ランキングも30位まで落ちてしまっています。直近の試合のプレーヤーズ選手権では今季3度目の予選落ちとなりましたが、69でまわった第2ラウンドはストローク・ゲインド・パッティングが1位でした。
不振の原因だったパッティングに明るい兆しが見えたことで、予選落ちの悲壮感はなく、前向きなコメントを残して会場を後にしました。オースティン・カントリークラブが生んだふたりの英雄、トム・カイトとベン・クレンショーも今週は会場に姿を見せるということで、大学の先輩でもあるふたりの前で流れを変える1週間にしたいところです。
最後に優勝予想として、ジョン・ラームを挙げます。初出場だった2017年は決勝まで勝ち上がり、ダスティン・ジョンソンに1ダウンで敗れて2位でした。オースティン・カントリークラブは距離はあまりないコースで、フェアウェイもそれほど広い感じはありませんが、優勝者はジェイソン・デイ、ダスティン・ジョンソン、バッバ・ワトソンとビッグヒッターばかり。
今季は出場9試合で今のところ予選落ちがなく、トップ10が6回と非常に安定しています。直近でマッチプレーをしたのが昨年のライダーカップ。タイガー・ウッズを接戦の末2&1で破り、感極まって涙したことは記憶に新しいところです。再びこのふたりの対戦はあるのか。もしふたりとも勝ち進むとセミファイナルでぶつかることになります。
ウォルター・ヘイゲン・カップを今年手にするのは誰でしょうか。