ゴルフ歴10か月の東大女子は、インパクトで腰が前に出てしまっていた
ギアーズの開発者マイケル・ネフから貴重なレッスンを受けることが出来たのは、ゴルフ歴10か月の東京大学1年生の下條ななみさん。まずはギアーズでいまのスウィングを測定することに。
早速アイアンでスウィングする下條さんだったが、緊張もあってかボールがフェースのネック寄りに当たる“シャンク”が飛び出してしまう。この原因はなにで、どう対策すればいいか。ネフ本人がギアーズの画面を見せながら解説してくれた。
「股関節のスラスト(前後の動き)を見てみると、股関節の真ん中がインパクトのときに4センチボールに近寄っている。このままスウィングするとフェースは4センチ前に出るのでヒールに当たる。このようなスラストの動きがあってもプロであれば、無意識に体の動きを調節しフェースの真ん中でインパクトするのでシャンクしない。しかし、ゴルフ経験の少ない彼女はそのままスウィングしているのでシャンクしてしまう。まずは股関節が前に動かないようにする必要がある」(ネフ ※通訳:竹本直哉プロ、以下同)
さらにインパクトで左にスウェーする量を増やすように指導。スウェーの動きを大きくすることでスラストの動きも少なくなり、よりハンドファーストなインパクトが出来るというわけだ。
「実際にビデオを撮って目で見ても分からないものが、このように数値化されることで明確になる。ギアーズはプロが使うイメージだけど、ビギナーにも効果があるんだ」(ネフ)
ギアーズの分析をもとに、ネフのレッスンは続く。「クラブが彼女にとって長すぎる、もっと短く持つように。もっとだ」
ネフによると、長いクラブを使うことでクラブの最下点がボールの手前になり、そのまま振るとダフる動きにつながってしまう。無意識に最下点をずらし、ダフりを避けるようとすることで、インパクトで股関節が前に動き、上体が起きる動きにつながっているとのこと。短くクラブを持つことで、股関節が前に動かずとも最下点がボールの位置にくるように調節したというわけだ。
これらのレッスンを受けて、下條さんがスウィングをすると、いままでとはまったく違った球筋が。ギアーズで見るとスラストの量は減り、インパクトでは、ややボールの上目を叩いてはいるものの、打点自体はフェースの真ん中に近づいた。
「スラストの量が減った分、インパクトはフェースの真ん中に近づきました。ボールの上目にヒットしているのは、インパクトで腕が曲がってしまっているから。もうちょっとインパクトで左手が伸びる感じにしたい」
早速、左腕をまっすぐ伸ばすイメージでスウィングした、東大女子・下條さん。シャンクは影を潜め、いままでで一番いいショットが!
レッスン後、下條さんに話を聞いた。
「普通に自分で練習しているだけだと気付かないことが数値化され、すぐに改善点が見つかるので、すぐ上達するなと思いました。貴重な機会を頂けたのでもっともっとゴルフを上達させたいと思います」
プロだけではなくビギナーにも効果があったギアーズ計測によるレッスン。まだなかなか計測できるところも少ないが、機会があればぜひ試してみてほしい。
協力:横浜本牧インドアゴルフ練習場