パット・イズ・ノット・マネー!? 最近のPGAツアー優勝者、意外と長いパットを沈めていなかった

時代はショット・イズ・マネーなのか

「パット・イズ・マネー」と言われるように、PGAツアーで優勝する選手は最終日のバックナイン、勝負どころのパットをしっかり決めるイメージがありますよね。

それでは最近PGAツアーで優勝した選手が実際にどれぐらいの長さのパットを沈めていたのでしょうか。データを調べてみたら意外な結果だったのでご紹介します。

まず質問。みなさんは最近のとあるPGAツアーのトーナメントで優勝した選手が、4日間で5メートル以上のパットを何回ぐらい沈めることができたと思いますか？

5回でしょうか？ 8回？ あるいは10回？

実はたったの2回だけだったんです。バルスパー選手権で見事連覇を果たしたポール・ケーシー。 そしてプレーヤーズ選手権で鮮やかなゴルフを展開したロリー・マキロイ。この2人のデータを検証してみましょう。

ポール・ケーシーは5メートル以上のパットは2回しか入らず優勝

まずは通算8アンダーで優勝したポール・ケーシー。4日間で1イーグル、18バーディー、12ボギー。パー5で15アンダーとスコアを稼ぎ、パー4を6オーバー、パー3を1オーバーで凌ぎました。

4日間の合計パット数は111。 ラウンド平均だと27.75パットとなります。沈めたパットの長さを確かめてみると……

1メートル以内のパットは完璧で49発中49回沈めることに成功。
3メートル以内のパットは77発中67回。
3メートルから5メートルだと10発中3回。
5メートル以上のパットを沈める事ができたのは4日間で2回だけでした。24回トライして初日の6メートルと2日目の8メートルのみ。案外入っていないんですよね。

マキロイは？　松山、タイガーは？

それでは「プレーヤーズ選手権」を制したロリー・マキロイを分析してみましょう。通算16アンダーのマキロイは4日間で1イーグル、21バーディーに対し 5つのボギーとダブルボギー1個。パー5で通算9アンダー、パー4は2アンダー、パー3も5アンダーとバランス良くスコアを稼ぐことに成功しています。

4日間のパット数は116。 ラウンド平均は29パットでした。打ったパットの長さで分けてみると……

1メートル以内のパットは47発中47回と100%の確率でカップイン。
3メートル以内の長さとなると76発中65回。
3メートルから5メートルだと12発中5回。
5メートル以上のパットは入れたのは……ケーシーと同じく2回だけという結果でした。

5メートル以上の長さのパットを試みたのは28回。 7アンダーを記録した2日目に7メートルと8メートルをねじ込んだ2回のみ。 16番のイーグルパットは3メートル弱でした。

ちなみにプレーヤーズ選手権で週末「66-67」と凄まじい追い上げをみせて予選通過ラインから8位フィニッシュを見せた松山英樹は4日間で5メートル以上のパットを4回沈めていました。 30位だったタイガーも、同じく4回沈めています。

もちろんパッティングが好調で優勝するというケースもあるでしょうが、PGAツアーで成功を収めるにはパッティングだけに頼らないショット力が大事です。

ピンに絡める為に正しい距離を打てることができるかどうか。 ボールの高さとスピン量をコントロールしたアイアンの精度やパー5でグリーン周りからピタリと寄せるアプローチの技術が、4日間72ホールという長丁場では有利に働くでしょう。