好みがモロに出る! お気に入りのティが見つかった
しかし、実はゴルフショップに行くたびに思っていたことがある。ティコーナーに並べられた数多くのティ。それらを試さずして、なんとなくいつものティを使い続けていいものか。「ボーっとティ選んでんじゃねーよ!」と叱られても文句は言えない。
ゴルファーならば、自分の使うティはこれ、と決めている人が多いはず。筆者もそうで、いわゆる「
レギュラーティ」というのか、特段長くも短くもない、ごくごく普通のウッドティを使用している。
どのゴルフ場でも手に入る点、長く使っているためある程度一定の高さにティアップできる点など
が愛用の理由だ。
というわけで、ティコーナーで目についたティを7種類購入。その使用感をお伝えしたい。なお、文中の価格は有賀園ゴルフ新橋店で2019年3月下旬に実際に商品に貼られていた値札のものだ。
さて、改めて購入したティを眺めていくと、いくつかのことに気がつく。ティによって謳い文句が異なるのだ。まず多いのが「抵抗を減らして飛距離アップする」ことを謳うもの。むしろこれがもっとも一般的だ。なるほど、ティを替えるだけで飛距離が伸びるなら安いものだ。
次に「一定の高さでティアップできる」というものもある。段付きティなどがそれで、たしかにそれもメリットだ。また、「かさばらない」ということをメリットに挙げるティもあった。
結論を言えば、ティを替えたことによる飛距離差はあまり感じられなかった。機械がテストすれば違いがもしかしたら出るのかもしれないが、平均スコア90台のアマチュアは、ティ云々の前にドライバーの飛距離が早々安定するものではないというのが正直な感想だ。
しかし、それでもなお、ティによる違いはいくつかの点で明確に感じられた。
まず、「ティアップのしやすさ」だ。これはティによって圧倒的に異なる。単純に、地面に刺す軸の部分に厚みがありすぎるとティアップがしにくい。
一方、ティアップしやすさに関して抜群の性能を発揮したのが「プットティー」(2個入りで800円税別)だ。タコ足のようなティを芝の上に置くだけでティアップできるタイプのもの。「ティが上手く刺さらない」「高さがどうもしっくりこない」といったストレスを大幅に軽減してくれることがわかった。
また、ティ自体が“飛ばない”というか“飛びにくい”のもいい。打つたびにティを探すのはそれなりにストレスになるが、その心配もなさそう。問題はややコミカルなその見た目、そしてティアップの高さの調節がまったくできないという2点だろうか。
次に面白かったのは「ポケッティー」(3個入りで600円税別)だ。インパクト時にティのヘッド(台座)部分が折れ曲り、抵抗が少ないというモデルだが、それはさておきポケットの中で折りたたんでおけるので、ティが指に刺さる、ズボンを突き破るといった惨事を防いでくれそう。これ、地味に嬉しい。
ティによってはティアップがしにくく感じるものもあった。たとえば軸部分がゴム製のものは、ゴム部分に剛性がないため、上から押さえつけるようにティアップするのが難しかった。
また、ティの台座部分がブラシになっているブラッシュティー(3個入り723円税別)は、ティとボールを一体に握り込み、上から押し込むようにティアップするウッドティ的なやり方が(慣れの問題だろうが)やりにくく感じた。ただし、とあるハンディキャップ5下のシングルゴルファーの口コミによれば「ブラッシュティは飛ぶ」らしい。
最後に告白しておかなければいけないのが「オフセットティ」(15本入り500円税別)の取り扱いだ。これは台座部分がアイアンでいうグースネックのようになったティで、ティの中心よりもボールがアドレス時の見た目で右側に来ることで、ボールのみをインパクトできるという代物。
なのだが、筆者はてっきりかつてプロの間で流行ったように、ティを飛球線方向に傾けるような効果、すなわちティの中心よりもボールを左にセットできるのがウリだと勘違いしてしまった。しかも、勘違いした上でアドレス時に「つかまる」イメージが湧き、このティで打ったショットはつかまったドローボールとなった。誤用した上で結果はいいという、なんともいえない事態になったことを反省とともに告白しておく。
というわけで、飛ぶ・飛ばないといったことはさておき、ティアップのしやすさ、一定の高さにしやすさ、なくなりにくさ、ポケットの中でのかさばらなさ、といったユーザビリティの部分はかなり違いを感じられた。
あくまでも今回テストした中での私的な感想だが、オーソドックスなウッドティから乗り換えるとすれば、オーソドックスの対極ともいえる置くだけの「プットティー」を選ぶ。ティを地面に刺さなくていいことが、こんなにストレスを減らしてくれるとは意外だった。
一方、当たり前だがこのティじゃプレーできない! というようなものも存在しない。これを言ったらおしまいだが、結局は好みの問題だ。ただし、好みはかなり如実に出る。テスト自体はやってよかったと深く感じる。
みなさんも、ぜひ「ティテスト」お試しあれ。費用はさほどかからない割に、発見が多く、楽しめるはず。仲間と一緒に試してみるのも、ワイワイ盛り上がるのではないだろうか。