知られざるマスターズ前週のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。週刊ゴルフダイジェストの特派記者としてマスターズ取材を行うゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎が現地リポート。

マスターズウィーク前のオーガスタ

私自身、今回で2回目となるマスターズ。前回2017年の時はチケットを購入して観戦しましたが、水曜日の練習日が雷雨による中断で3時間ほどの滞在となり、1500ドル(現在のレートで約16万5000円)ほどしたチケットが雨と共に溶けていきました(泣)。今回は最終日まで取材ができるのでリベンジをしたいと思っています。

今年は初日木曜日のチケットが約2500ドルと、例年よりも高い相場になっています。チケットは主にパトロンなど限られたところにしか流通しないため、オークションでどんどん値段が上がります。今年はタイガーが万全の態勢で臨むということもあり、期待感が高まっているのかもしれません。

私たち取材チームはオーガスタには現地時間で木曜日(4日)の夜に到着し、金曜日にオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの会場に入りました。

今年は例年のマスターズとは違い、オーガスタ・ナショナル・女子アマ選手権が開催されました。2012年にやっと女性メンバーの加入が認められたオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで女子の試合が開かれるのは不思議な感じでした。米国ゴルフ専門放送局・ゴルフチャンネルでは女子メジャーのANAインスピレーションよりも多く取り上げており注目の高さがうかがえました。

今回3位タイの安田さんはパッティングの距離感に苦しみましたが、ショットの精度は欧米選手に引けをとらない素晴らしいものでした。

優勝争いをした最終組の世界アマチュアランキング1位のジェニファー・カプチョとマリア・ファッシの最終組は別次元のゴルフでした。カプチョは12番までスコアを伸ばせずマリア・ファッシを追う苦しい展開でしたが、13番のイーグルを奪取したところから6ホールで5アンダーとスコアを伸ばし、上がり3ホールで逆転し勝利しました。カプチョはタメが大きく、インパクトの前傾角度が深いポーラ・クリーマーのようなタイプのスウィングで、今後プロに転向してからの活躍が楽しみな選手です。

画像: 日曜にはジュニアゴルファーの大会、ドライブ・チップ&パットが行われた

日曜にはジュニアゴルファーの大会、ドライブ・チップ&パットが行われた

日曜日にはドライブ・チップ&パットが行われました。「DCP」の略称で呼ばれるジュニアゴルファーの大会は年代別に分かれてドライバー、チップショット、パッティングを2球ずつ行ってそれぞれ上位がポイントを獲得し順位を争う競技です。

全米中で予選が行われ選ばれしものがマスターズの晴れの舞台に立てるシステムです。パッティングは18番で行われるので、参加した子供たちがマスターズをテレビを見ながら「このライン難しかったんだよ」なんて親に語れるとゴルフが好きになりますね。ギャラリーもたくさんいて緊張感のある中で貴重な経験になると思います。

前週に会場入りする選手たち

日本人選手4選手は前週から精力的に練習ラウンドを行い調整をしていました。まだ他の選手が少ない金曜日でも日本人選手は全員会場入りし、松山選手は金曜日・土曜日は金谷選手とハーフラウンド、日曜日は一人で1ラウンドの練習ラウンドを行っていました。

画像: 日本のエース・松山は金曜日から練習ラウンドを行っていた

日本のエース・松山は金曜日から練習ラウンドを行っていた

一流選手も続々と会場入りしています。ジャスティン・ローズ、バッバ・ワトソン、ブルックス・ケプカなどが練習を行っていました。

その中でもまだまだリラックスモードです。世界ランキング6位のブライソン・デシャンボーがなぜか先輩のマスターズチャンピオンのトレバー・イメルマンにバンカーショットの指導をしていました。両選手を指導しているクリス・コモを差し置いて熱血指導。こんな光景が見られるのも日曜日まででしょう。

画像: トレバー・イメルマンにバンカーショットの指導しているのはクリス・コモ…ではなくデシャンボ―⁉

トレバー・イメルマンにバンカーショットの指導しているのはクリス・コモ…ではなくデシャンボ―⁉

明日月曜日からいよいよ練習日が始まります。タイガーやその他有力選手も会場入りし、ギャラリーも詰めかけ雰囲気も一変することでしょう。

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