男子ツアーで活躍する時松隆光が幼少期から師事する「桜美式」ゴルフの提唱者・篠塚武久は、スプリットハンドでのアプローチを勧める。自身の著書「10本で握る テンフィンガースウィング」よりスプリットハンドのメリットを紹介。
スプリットハンドはドリルにも実戦にも効果的
アプローチはテンフィンガーで行うだけでもいいのですが、それでもまだ左手が自分の役割を与えられていると思ってスウィング動作に邪魔してくる人は、スプリットハンドにすると、右手主導がさらに強まり、左手の役割がほとんどなくなる。もう自分がすることはないんだと左手があきらめ、ただシャフトを支えている程度になります。
アマチュアが不器用な左手主導で打つと、ダフリやトップの危険性が高まります。それを認識し、左手は極力封印する。そのためにもスプリットハンドは有効な手段です。
また、スプリットハンドは力を殺してコントロール重視にできる。だからスプリットハンドにし、右手を離してグリップから球までの距離を近づけたい。同時に、目から球までの距離も近くなるので、狙いどおりにヘッドをコントロールしやすくなるわけです。
「桜美式」は、自然にやさしくがモットー。クラブを右手で操り、目を球に近づける。これは、ターゲットを狙い澄ますとき、人間が当たり前に行う動作です。それなのに、このスプリットハンドを奨励すると、「そんな打ち方はカッコ悪い」と言うアマチュアがいます。でも、私からすると、左手主導で目を球から離して打ってミスを多発している人たちのほうが、よほどカッコ悪いですよ。
「10本で握る テンフィンガースウィング」(ゴルフダイジェスト社)より
撮影/浅田紀元