マスターズが感動のうちに幕を閉じ、今週はいよいよ国内男子ツアーが開幕する。その練習日、コースに姿を現した谷口徹に、マスターズの話、若手の話、オフの間はパット練習しないという“ウワサの真相”までをじっくり聞いた。

「オフの間はパット練習しない」は本当ですか?

ーーマスターズでタイガー・ウッズが優勝しました。

谷口:やっぱりタイガーはすごいね。あれだけのメンバーの中で、しかも14年ぶり? その長い期間いろんなことがあったけど、復活して優勝するやなんて、やっぱりタイガーは別格。

画像: 開幕戦「東建ホームメイドカップ」の舞台、東建多度カントリークラブ・名古屋で話を聞いた

開幕戦「東建ホームメイドカップ」の舞台、東建多度カントリークラブ・名古屋で話を聞いた

ーー勝因はどこでしょう?

谷口:とくにアイアンショットとパットがよかったですよね。アイアンが凄くキレてて、自由自在にコントロールされてた。もともと昔からドライバーは曲げてミスすることあったけど、そこからのリカバリーが凄かったからね。それは今回も何度か見られたし。

ーー当たり前のようにバーディチャンスにつけてましたもんね。

谷口:アドレスを変えるだけでドローもフェードも打ち分けられてる。しかもほとんど狙ったところに打ててたから。肝心なところでパットも入ってたし、無駄なボギーも打たなかった。感動したわ、ホンマに。

ーー同じヤマハの契約プロで、親交の深い今平周吾プロがマスターズに出場しましたが。

谷口:そうですね、やっぱり行かないと分からないことがあるし、人のプレーを見て感じることもありますよね。あそこからあんなふうに打つんだとか、ラフからはドンと打ち込むのか、サラッと打っているのかとか。バンカーでもアプローチでもなんか自分に取り入れるもの見つかると思うんです。

球の高さや飛距離とかは体格や体力もあるから難しいこともあるけど、自分でも感覚としてこんな感じかなとやってみたりすることでよくなってくるからね。

ーー国内に目を向けると、手嶋多一プロがシニアツアーの初戦で勝ちました。

谷口:あれ、行かないって聞いててんけど(笑)。「楽しいですよ」って言うけど、そりゃ優勝すれば楽しいやろな。でもレギュラーではそうもいってられへんで。一度シニアに行くとこっち(レギュラーツアー)がしんどくなるんちゃうかな。(自分も)いっそレギュラーに出られる資格がなければシニアに行くんやけど、まだしばらく出られるからね。

ーーそういえば、先日の千葉オープンの会場で、丸山大輔プロから谷口さんはオフにパット練習しないって聞いたんですけど、本当ですか?

谷口:オフにパット練習? せえへんな。パットはやっぱり芯で打って自分の思ったところに打ち出すこと。これしかない思うんですわ。1メートルが入らない人は10メートルも入らないから。しっかり1メートルを入れられるようになるのが大事やと思いますね。自分の思ったところに打ち出す感覚を磨くこと、ストロークとか打ち方とかそんなに考えてませんよ。

画像: 谷口といえば強気に狙うパッティングだが、オフの間練習はしないという(写真は2018年の日本プロ 撮影/姉崎正)

谷口といえば強気に狙うパッティングだが、オフの間練習はしないという(写真は2018年の日本プロ 撮影/姉崎正)

ーー(そのためには、われら凡人は練習が必要な気もしますが……)同じときに丸山プロが、谷口さんにはクルマ選びからなにから、一本通ったスジがあるって聞きました。

谷口:クルマはメルセデスのスポーツタイプに乗ってましたけど、やっぱり乗ってみないと分からないことがあるんですよね。オプションとかを選んで、何カ月も待って買いました。「これでいい」とか適当に買うんじゃないんです。

やっぱり高いものにはそれなりの価値がある。あんなに馬力あるスポーツカーなのにすごく乗りやすいとかね。今はポルシェに変えましたけど、これは4輪駆動で安定していい感じですわ。今平もクルマ買ったみたいですけど、ちゃんと選んでるんかな(笑)。

ーー今の若者はクルマに興味ないっていう人も多いみたいですね。

谷口:でもね、いいクルマに乗るのはやっぱり子供たちが見たときに、プロゴルファーって稼げるんだ、とかそういう(憧れを抱ける)ものでいたいし、目指してほしいとも思うんです。最近の若い子(男子プロ)たちはそういうハングリーみたいなとこがあんまり見えてこない。ほんとに優勝したいのかな? って思うときありますね。もっと勝つんだっていうものが見えてきてもいいのかなと思います。

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